エアプサンの旅客機が釜山国際空港で離陸直前に炎上、乗客乗員176人全員が緊急脱出する騒ぎとなりました。2024年12月の着陸失敗事故から間もない韓国で、再び航空機事故が発生。今回はモバイルバッテリーが出火原因の可能性が浮上しています。一体何が起きたのでしょうか?
緊迫の機内、乗客の叫び声と煙
2025年1月28日夜10時過ぎ、香港行きのエアプサン機が離陸準備中に機体後部から出火。機内はパニック状態に陥りました。乗客の一人は、「後方から『出て行け!』という叫び声が聞こえ、脱出しようとしたが非常口が閉まっていて煙が充満していた」と緊迫した状況を語っています。
エアプサン機炎上
非常用スライダーで脱出する乗客の姿は、まさに危機一髪。動画には、機体後部から黒い煙が噴き出す様子も捉えられています。驚くべきことに、乗客からの避難誘導のアナウンスはなかったとの証言も。韓国メディアは、乗務員が避難誘導をためらっていたという乗客の証言を報じています。この点についても徹底的な調査が必要でしょう。
モバイルバッテリー発火の可能性、そして焼け焦げた機体
火災発生後、機体中央から前方に炎が燃え広がる様子が確認されました。出火場所は荷物棚とみられ、モバイルバッテリーが発火源の可能性が浮上しています。鎮火までには約1時間かかり、機体の屋根部分は大きく焼け落ちたとのこと。
炎上するエアプサン機
航空安全の専門家、田中一郎氏(仮名)は、「モバイルバッテリーの発火は近年増加傾向にあり、航空機内での取り扱いには細心の注意が必要です。今回の事故を教訓に、航空会社はより厳格な安全対策を講じるべきでしょう」と指摘しています。
7人が病院へ、事故原因究明へ
幸いにも乗客乗員176人全員が脱出できましたが、7人が煙を吸うなどして病院で治療を受けています。韓国当局は30日午前10時から事故原因の調査を開始する予定です。
近年の航空機事故の事例を踏まえ、今回の事故原因の究明と再発防止策の徹底が求められます。モバイルバッテリーの安全性についても改めて議論が必要となるでしょう。