日の丸「国旗損壊罪」制定の動きに「育てていくべきは日の丸を尊重する心」 愛国者団体が反発する理由とは


【写真】生きづらくなる? 日の丸「国旗損壊罪」のゆくえ

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■日の丸は対象外だが…

 現行法では外国国旗の損壊について処罰する法律はあるが、日の丸は対象外だ。

 自民と維新の連立合意署では、「外国国章損壊罪のみ存在する矛盾を是正する」と明記した。参政党も参院に刑法の改正案を提出し、導入に意欲を見せている。

 こうした動きに対し、「保守層へのただの受け狙いだ」と強く反発するのが一水会の木村三浩代表だ。

 一水会は、1970年に東京・市ケ谷の自衛隊駐屯地で割腹自殺した作家・三島由紀夫らの思想を継ぐ団体で、「民族派右翼」とも呼ばれる。

 ホームページにも日の丸を掲げている愛国者団体が、なぜ、日の丸を侮辱する行為を取り締まる法律制定に反対なのか。

■国旗を尊重する心とは

 木村さんは、「そもそも、国旗を尊重したり愛着を持つということは、法で縛ったり、抑止力によって実現するものではありません。日の丸の歴史を学び、自然に日の丸を尊重する心を育てていくべきであって、その最も大切なプロセスをないがしろにしている。格好だけで中身がないということです」と厳しく断ずる。

 木村さんが思い返すのは、1987年の沖縄国体で、掲揚してあった日の丸を下ろして焼き捨てた平和運動家・知花昌一氏の存在だ。

「90年代に沖縄に出向き、知花氏らと議論したことがありますが、その時、知花氏らは『我々はヤマトンチュ(本土の人)とは違う』の一点張りでした。ですが、私は、沖縄戦でボロボロにされた土地に生まれ、生きてきた彼らのアイデンティティーを否定しなかった。彼らが訴えたいことを聞き、議論したんです」

 2000年の夏、沖縄サミットが開かれた際に、知花氏と再び対談した。知花氏は日の丸を焼き捨てた行為について、若さゆえに先走り過ぎたと振り返り、「沖縄の人たちの思いを代弁するものではなかった。独善的だった」と、もう日の丸を傷つけないと語ったという。



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