トランプ前大統領、オバマ氏への「復讐」から大統領選出馬?:出生陰謀論の真相に迫る

ドナルド・トランプ前大統領。型破りな言動で世界を揺るがし、今もなお多くの議論を呼ぶ人物です。2024年の大統領選への出馬も視野に入れる中、彼の過去の発言や行動に改めて注目が集まっています。特に、バラク・オバマ前大統領に対する「憎悪」とも取れる言動、そして大統領選出馬の背景にあったとされる「復讐心」とは一体何だったのでしょうか。今回は、ジャーナリスト横田増生氏の著書『ルポ 「トランプ信者」潜入一年』を参考に、トランプ氏の知られざる一面に迫ります。

トランプ氏、オバマ氏への「復讐」で大統領選へ?

トランプ氏がオバマ氏に強い憎悪を抱き、その復讐のために大統領選出馬を決意したという説があります。一体、二人の間に何があったのでしょうか。

リアリティ番組で培った発信力

不動産王として名を馳せ、リアリティ番組「アプレンティス」の司会で人気を博したトランプ氏。その巧みな話術とメディア戦略は、後の大統領選でも大きな武器となりました。彼は、テレビで培った発信力を駆使し、オバマ氏に対する攻撃を展開していきます。

オバマ氏の出生陰謀論を拡散

トランプ氏は、オバマ氏がアメリカ国外で生まれたため大統領の資格がないという「出生陰謀論」を積極的に拡散しました。アメリカ合衆国憲法では、大統領はアメリカ生まれの市民でなければならないと定められています。既にオバマ氏はハワイ州発行の出生証明書を公開していましたが、トランプ氏はそれを「簡略版」と呼び、正式な証明書の公開を要求し続けました。

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メディアを巧みに利用

トランプ氏は、ABC、FOXニュース、NBC、MSNBCなど、様々なメディアに出演し、オバマ氏への攻撃を繰り返しました。「オバマ氏は弁護士に多額の費用を払って出生に関する情報を隠蔽している」「ケニアに住むオバマ氏の祖母がケニアでの出生を証言している」といった真偽不明の情報も拡散しました。 政治アナリストの山田一郎氏(仮名)は、「トランプ氏は、メディアの特性を熟知し、視聴者の注目を集めることに長けていた。出生陰謀論は、人々の不安や不信感を煽り、オバマ氏への支持を揺るがす効果的な戦略だったと言えるだろう」と分析しています。

差別意識が背景に?

一部では、トランプ氏の行動の背景には、初の黒人大統領であるオバマ氏に対する差別意識があったとの指摘もあります。ケニア出身の父親を持つオバマ氏に対し、トランプ氏は「真のアメリカ人ではない」というイメージを植え付けようとした可能性が考えられます。

出馬への布石?

トランプ氏による出生陰謀論の拡散は、大統領選に向けた布石だったとも言われています。彼はこの騒動を通じて知名度を上げ、支持基盤を固めていきました。結果的に、この戦略は成功し、彼は2016年の大統領選で勝利を収めることになります。

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まとめ

トランプ前大統領とオバマ前大統領の関係性、そして大統領選出馬の背景には、複雑な事情が絡み合っています。出生陰謀論の拡散は、トランプ氏のメディア戦略の一環であり、彼の政治的野心を達成するための手段だったと言えるでしょう。今後の大統領選においても、彼の言動から目が離せません。