深夜に輝く「不夜城」に潜む物語を追い求める、異色の映像ディレクター大前プジョルジョ健太氏。TBS退社、ギャラクシー賞受賞番組『不夜城はなぜ回る』の制作秘話、そして彼を突き動かす情熱と信念に迫ります。
趣味が高じてギャラクシー賞受賞番組へ
大前氏は、TBSで情報番組、報道記者を経て映像ディレクターの道へ進みました。現場で取材した経験を活かし、自らナレーションを担当することで、よりリアルな情報を伝えることにこだわっています。 彼の代表作とも言える『不夜城はなぜ回る』は、深夜に明かりが灯る建物「不夜城」に潜入し、そこで行われていることを体当たり取材で明らかにする番組。なんと、この番組の着想は、彼自身の趣味である“不夜城探訪”から生まれたというから驚きです。
大前プジョルジョ健太氏が“生ゴミ”の中からネギを探す様子
構成作家のアリエシュンスケ氏の「自分が好きなものを探求していくことが、他の誰にも描けないものなんだ」という言葉に後押しされ、自信を持って企画を提出。結果、2023年1月度のギャラクシー賞を受賞するという快挙を成し遂げました。 まさに、情熱を形にした成功例と言えるでしょう。
東野幸治氏をMCに抜擢した理由
『不夜城はなぜ回る』のMCには、東野幸治氏が抜擢されました。これは大前氏とアリエ氏が前々から考えていた構想だったといいます。 東野氏の持つ独特の視点や切り口が、番組のテーマと見事にマッチし、更なる深みを与えていることは言うまでもありません。
ABEMA番組『国境デスロード』で移民に密着取材する大前プジョルジョ健太氏
現場の声を伝えることにこだわる姿勢
大前氏は、「現地で取材した人間の言葉でしか話せないことって絶対にある」という信念のもと、番組制作に取り組んでいます。 たとえナレーションがプロの声優より拙くても、自身が現場で感じたこと、体験したことを伝えることに重きを置いているのです。 この真摯な姿勢こそが、視聴者の心を掴む理由の一つと言えるでしょう。 例えば、ABEMAの番組『国境デスロード』では、移民家族に密着し、氷点下の川を渡る様子を自らカメラを回し取材。その過酷な状況を身をもって体験し、視聴者に伝えています。
独自の視点と情熱で未来を切り開く
大前プジョルジョ健太氏。彼が生み出す映像作品は、独自の視点と情熱に満ち溢れています。 TBSを退社し、年収が3分の1になっても、自分の信じる道を突き進むその姿は、多くの人々に勇気を与えているのではないでしょうか。 今後、彼がどんな作品を生み出していくのか、目が離せません。