衝突事故で3人にけがを負わせたとして自動車運転処罰法違反(過失傷害)の罪に問われた山口県の70代女性被告に、山口地裁下関支部が無罪判決を言い渡していたことが1日、分かった。県警が虚偽を含む調書を作成したことを認定し、捜査の違法性を指摘した。7月23日付。
判決などによると、事故は山口県下関市の国道191号で平成28年7月に発生。運転中に車線をはみ出して対向車2台に衝突し、当時20~70代の男女計3人を負傷させたとして、被告は禁錮1年を求刑された。
辛島靖崇裁判官は判決理由で、被害車両を運転していた当時60代の男性が山口県警の実況見分に立ち会わなかったことを認定。その上で「あたかも男性が立ち会って説明したような、虚偽内容を含む実況見分調書を作成した。違法不当な捜査による誘導が介在した」と指摘した。
他の被害者の供述に関しても、信用性に疑いがあるとした。検察側は争う姿勢を示し、広島高裁で12月3日に控訴審初公判が開かれる予定。