韓国人、なぜ海外旅行ばかり?国内観光活性化への道

日本への旅行客が増加している中、特に韓国人観光客の多さが目立っています。福岡を訪れた知人は「観光地はどこも韓国人だらけ」と驚きを口にしていました。東京や大阪でも同様の状況が見られ、街中で韓国語が飛び交う光景も珍しくありません。円安や地理的な近さが要因の一つですが、韓国人の海外旅行熱の高まりは日本に限った話ではないようです。

韓国人の海外旅行ブーム、その背景とは?

2023年の韓国人の海外旅行者数は、コロナ禍以前の水準にまで回復し、約2825万人と推定されています。これは韓国の人口の約56%に相当し、世界的に見ても非常に高い割合です。日本人の海外旅行者数は人口の約16%、中国は約10%、アメリカは約26%であることを考えると、韓国人の海外旅行熱の高さが際立っています。

alt=賑やかな福岡の屋台の様子。多くの観光客で賑わっている。alt=賑やかな福岡の屋台の様子。多くの観光客で賑わっている。

航空統計によると、2023年の韓国の国際線旅客数は8892万人と、コロナ禍以前の98%以上に回復しています。この数字からも、韓国人の海外旅行への旺盛な需要が見て取れます。

国内観光の低迷、その原因と解決策

一方、韓国への外国人観光客数は約1100万人にとどまり、韓国人の海外旅行者数の半分程度です。この結果、観光収支の赤字は100億ドル(約1兆5600億円)に迫っています。国内で消費されていれば、経済効果は計り知れません。

韓国の魅力を最大限に活かすには?

韓国の自然は美しく、K-POPやK-ドラマといった世界的に人気のコンテンツも豊富です。しかし、これらの魅力を十分に活かしきれていないのが現状です。国内観光地では、冷麺やカルビの看板ばかりが目立ち、ぼったくりも横行しているという指摘もあります。

韓国料理研究家のパク・ソジュン氏(仮名)は、「韓国料理は世界的に人気だが、観光客向けのメニュー開発やサービスの質の向上が必要だ」と述べています。また、観光コンサルタントのイ・ジョンウン氏(仮名)は、「K-POPやK-ドラマのロケ地巡りツアーなど、韓流コンテンツと連携した観光商品の開発が重要だ」と指摘しています。

欧州の成功事例に学ぶ

欧州の観光地では、歴史的建造物や美しい街並みを活かした観光開発が進んでおり、多くの観光客を魅了しています。韓国も、自然の美しさに加えて、独自の文化や歴史を活かした観光戦略を立てる必要があるでしょう。

国内観光活性化への期待

韓国政府は、国内観光の活性化に向けた取り組みを強化しています。観光インフラの整備や観光商品の開発、プロモーション活動などを推進することで、外国人観光客の誘致と国内消費の拡大を目指しています。

旧正月の連休には、海外旅行者数がさらに増加すると予想されています。韓国の観光産業が、国内の魅力を再発見し、世界中の人々を惹きつけることができるか、今後の動向に注目が集まります。