NHK大阪放送局は30日、来年秋スタートの連続テレビ小説について、大阪出身の女優の成長を描く「おちょやん」を制作し、ヒロインの竹井千代役に女優の杉咲花(すぎさき・はな)さん(22)を起用すると発表した。
千代のモデルは、松竹新喜劇の名女優としても活躍した浪花千栄子(なにわ・ちえこ、1907~73年)。タイトルは千代が奉公する、茶屋や料亭で働く小さな女中を意味する大阪の言葉で、ドラマでは大正から昭和の戦後の大阪を舞台に、貧しい家庭に生まれた千代が「大阪のお母さん」と呼ばれる女優にまで成長していく姿を描く。
杉咲さんはヒロインに決まったときの心境について「一瞬何のことか理解できない、パニックの状況。すごくうれしくて、ちょっと泣いてしまった」と笑顔で振り返り、「見てくれる皆さんの大事な15分が明るく、パワーがもらえるものになるように演じたい」と抱負を語った。
また、浪花千栄子については、自伝を読んだり、出演したラジオドラマを聴いたりしたという。「波瀾万丈(はらんばんじょう)の人生だけれども、前向きに、ポジティブに捉えて進む様子がすてきな方だな、と声を聴いていて感じた」と語る。杉咲さんは東京出身だが、千代のセリフは大阪弁になる予定。「イントネーションの資料を聴いているが、想像以上に難しそう。マスターできるように頑張る」と意気込みを見せた。
一方、脚本はドラマ「半沢直樹」「家政夫のミタゾノ」などを手がけた八津弘幸(やつ・ひろゆき)さん(48)が担当。「朝ドラはこうでなくては、ということをかみしめながら書いている。その中に僕なりの遊び心を加え、いい意味で変化、進化する朝ドラをお届けできたらと思う」と話した。