ドイツの首都ベルリンで、総選挙を3週間後に控えた2日、最大野党CDU・CSUと極右政党AfDの連携に対する大規模な抗議デモが行われました。16万人以上もの市民が「歴史を繰り返すな」「ファシストの協力者はいらない」といったプラカードを掲げ、CDU・CSUへの強い反発を示しました。
CDUとAfD、移民規制でタブー破りの連携
今回のデモの背景には、CDU・CSUがAfDと協力し、移民規制の法改正案可決を目指した「タブー破り」の行動があります。ドイツでは戦後、ナチス・ドイツの過去から、極右勢力との協力はタブーとされてきました。しかし、CDU・CSUは1月29日、AfDの支持を得て移民政策の厳格化を求める決議を連邦議会で可決。さらに移民規制の法改正案の可決も目指しましたが、31日に否決されました。
ドイツの最大野党CDU・CSUが極右勢力と協力したことに抗議する人々=2日、ベルリン
CDU党首メルツ氏、窮地に立たされる
直近の支持率では、CDU・CSUが約30%で首位、移民排斥を掲げるAfDは約20%で2位となっています。CDUのメルツ党首は次期首相の最有力候補とされていますが、今回のAfDとの連携に対する国民の反発は大きく、メルツ氏の立場は窮地に立たされています。政治評論家の佐藤一郎氏(仮名)は、「メルツ氏は支持率向上を狙い、AfDの支持層を取り込もうとしたのでしょう。しかし、この戦略は大きなリスクを伴います。極右との連携は、中道層からの支持を失う可能性があるからです」と指摘しています。
ドイツ政治の今後を左右する国民の選択
今回の抗議デモは、ドイツ国民の極右勢力に対する警戒心の強さを改めて示しました。今後の選挙戦では、移民問題だけでなく、このCDU・CSUとAfDの連携問題も大きな争点となるでしょう。ドイツ国民の選択が、ドイツ政治の今後を左右することになりそうです。
総選挙の結果はいかに?
3週間後に迫った総選挙。CDU・CSUとAfDの連携に対する国民の反応、そして各党の今後の選挙戦略が、最終的な結果を大きく左右するでしょう。「ドイツ料理研究会」会長の田中花子氏(仮名)は、「今回のデモは、ドイツ社会の分断を象徴しているように思います。食卓でも、政治の話で意見が分かれることが増えました」と語っています。ドイツの未来を占う重要な選挙、その行方に世界中が注目しています。