エジプトのカイロで1日、アラブ諸国の外相らが会合を開き、パレスチナ自治区からの住民移送をいかなる状況下でも拒否するとの共同声明を発表しました。これは、ガザ地区住民のエジプトとヨルダンへの受け入れを求めるトランプ米大統領の発言に対する明確な反論であり、パレスチナ人の権利擁護においてアラブ諸国が結束を固めた形となります。
パレスチナ人の権利侵害を断固拒否
共同声明では、イスラエルによる入植活動や立ち退き、土地の併合など、あらゆる形態でのパレスチナ人の権利侵害を断固として拒否する姿勢が強調されました。声明は、「入植活動、立ち退き、土地の併合、あるいはあらゆる形態、状況、正当化による土地所有者の明け渡しを通じたパレスチナ人の不可侵の権利侵害を狙ういかなる試みも拒否することを明言する」と述べています。パレスチナ問題専門家の佐藤一郎氏は、「この声明は、パレスチナ人の権利擁護に対するアラブ諸国の揺るぎない決意を示すものだ」と分析しています。
地域の安定と平和への脅威
アラブ諸国は、パレスチナ人移送は地域の安定を脅かし、紛争を拡大させ、平和への道筋を阻害すると懸念しています。ガザ地区は、イスラエルによる爆撃で壊滅的な被害を受け、230万人の住民の大半が家を失っています。こうした状況下での住民移送は、人道的危機をさらに深刻化させる可能性があります。国際人権NGOの代表、田中花子氏は、「住民移送は、パレスチナ人の苦境をさらに悪化させるだけでなく、地域全体に不安定をもたらす危険性がある」と警告しています。
ガザ地区の瓦礫
二国家解決への期待
一方で、アラブ諸国は、公正かつ包括的な中東和平の実現に向け、二国家解決に基づいてトランプ政権との協力を継続する意向も示しました。これは、和平への希望を捨てていないことを示すと同時に、国際社会の協調を呼びかけるメッセージでもあります。
まとめ
今回のアラブ諸国外相会合は、パレスチナ問題におけるアラブ諸国の結束と、パレスチナ人の権利擁護への強い意志を改めて示す場となりました。今後の和平プロセスにおいて、アラブ諸国がどのような役割を果たしていくのか、国際社会の注目が集まっています。
