経済評論家・山崎元氏が食道がんとの闘病生活を経て書き上げた遺作『がんになってわかったお金と人生の本質』。投資の達人として知られる山崎氏が、人生の終焉を前に何を伝えたかったのか。本記事では、同書から得られるお金の使い方、そして人生の本質について解説します。
山崎元氏とは?
インデックスファンド投資の提唱者
山崎元氏は、生前「99%の投資信託は検討に値しないクズ」と断言し、インデックスファンドへの投資を強く推奨してきた経済評論家です。アクティブファンドのファンドマネージャーとしての経験を持ちながら、投資初心者から経験者まで幅広い層に支持を得ていました。
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遺作『がんになってわかったお金と人生の本質』
がん闘病と向き合う
長年の飲酒習慣が原因で食道がんを患い、2024年1月に65歳でこの世を去った山崎氏。最後の著書となる本書では、がんとの闘病生活を通して得たお金と人生の真髄を綴っています。
保険不要論
プロの予想は当たらないと主張し、インデックスファンド投資を推奨してきた山崎氏。本書では、自身の経験を基に保険の不要論を展開しています。
お金の使い方:健康への投資
健康の価値
山崎氏は、毎日ウイスキーを愛飲していたことが病の原因の一つと自己分析。本書を通して、健康を保つことの重要性、そして健康こそ最大の投資であることを訴えています。お金を増やすことよりも、健康寿命を延ばすためにお金を使うことの大切さを説いています。「健康寿命」というキーワードは、昨今、医療経済学者・福田淳氏も強く提唱しており、人生の質を向上させる上で重要な要素となっています。
がん治療と情報との向き合い方
情報過多の時代
山崎氏は、がんと診断されてから治療方針を決めるまで、情報過多に悩まされたと述べています。投資のプロであっても、がん治療に関しては素人。膨大な情報の中から適切な情報を選択することの難しさを痛感したそうです。
標準治療の選択
最終的に、利害関係のない医療関係者の助言を受け、標準治療を選択した山崎氏。効果が誇張された治療法は、魅力的に見えても「素晴らしい実績のあるアクティブ・ファンド」のように、実際のリターンは期待できないと表現しています。
本書から学ぶ4つのエッセンス
本書では、お金の使い方だけでなく、人生における様々な学びが得られます。具体的には以下の4点が挙げられます。
- 健康への投資の重要性
- 情報過多の時代における情報選択の難しさ
- 専門家への相談の重要性
- 自分らしい生き方
結論:人生の本質
『がんになってわかったお金と人生の本質』は、お金の使い方だけでなく、人生をより豊かに生きるためのヒントを与えてくれる一冊です。山崎氏のメッセージを受け取り、自分らしい人生を歩むための一助として、ぜひ手に取ってみてください。