韓国最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権による国民生活関連予算の削減を批判する情報を自身のSNSで拡散したものの、その内容に多くの誤りが含まれていることが発覚し、波紋を広げている。
誤情報の発端と李代表の主張
李代表は自身のSNSに「国民生活関連予算削減、誰がしたのか」と題した投稿を行い、尹政権が削減した予算と、共に民主党が削減した予算を比較したリストを掲載。メディアが真実を伝えないなら自分たちが伝えるべきだと主張し、情報の拡散を呼びかけた。これは、与党側から共に民主党が国民生活関連予算を削減したとの批判を受けたことに対する反論とみられる。
韓国国会の様子
事実確認で明らかになった誤りの数々
TV朝鮮の取材によると、李代表が拡散したリストには、多くの事実誤認が含まれていた。例えば、「敬老堂(老人憩の家)冷暖房費支援予算」は前年度より増加しており、「ステルス戦闘機F35導入予算」も大幅に増額されているにもかかわらず、リストでは削減されたと記載されていた。その他にも、実際には前年度と同額程度の予算が計上されているにもかかわらず、削減されたと誤って記載されている事業が多数確認された。
専門家の見解
韓国の政治経済に詳しい評論家、キム・ヨンチョル氏は「今回の件は、政治家がSNSで発信する情報の正確性を改めて問うものだ」と指摘する。「特に、国民生活に直結する予算に関する情報は、正確な情報に基づいて議論されるべきだ。誤った情報の発信は、国民の不安を増幅させ、政治不信を招きかねない」と警鐘を鳴らしている。
李代表側の対応と今後の影響
李代表側はTV朝鮮の取材に対し、当該資料は2025年度ではなく2023年度の議論に関するものであったとして訂正し、遺憾の意を表明した。しかし、既に拡散された誤情報は多くの国民に影響を与えており、今後の政治議論に影を落とす可能性も懸念される。
情報の真偽を見極める重要性
今回の件は、情報を受け取る側も、その真偽を慎重に見極める必要性を改めて示している。特にSNSで拡散される情報は、発信源の確認や他の情報源との比較など、多角的な視点から検証することが重要となる。
まとめ
李在明代表による予算削減に関する誤情報拡散は、韓国政界に波紋を広げている。情報の正確性と発信者の責任が改めて問われる事態となっており、今後の動向が注目される。