トランプ関税50%の最貧国 国王は再エネに活路 日本に支援要請も


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 レソトは国連が「最貧国」に指定する、南アフリカに囲まれた人口230万人の小国。政権運営には国王の一族が携わり、国王自身も政治的な影響力を持つ。

 レソトは米国が2000年に施行した「アフリカ成長機会法」(AGOA)によって米国への輸出の関税が免除され、米国向けの縫製業が盛んになった。縫製業は国内総生産(GDP)の約2割を占めるまで成長したが、貿易赤字の解消を進めるトランプ大統領は今年4月、レソトに50%の関税を課すと表明した。

 関税の発動は一時的に停止されたが、今月9日の停止期限を控え、米国との交渉に進展はないという。先行きの不透明さで一部の受注が停止。米国向けの工場で働く計1万2千人の従業員の一部は、時短勤務を強いられているという。

 打開策の一つとして、レツィエ3世は再生可能エネルギーに注力するとした。国土の多くが山岳地帯のレソトは水資源が豊富で、水力発電所を含めたインフラの整備が進めば、「南アなどへ電力を輸出することが可能になる。新たな経済モデルが必要だ」と主張。8月に横浜市で開かれるアフリカ開発会議(TICAD9)で技術面などの支援を日本に求めるという。(多鹿ちなみ、長島一浩)

朝日新聞社



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