【ニューヨーク=本間英士】ブラジル南東部リオデジャネイロで開かれていた中国やロシアなど主要新興国でつくる「BRICS」の首脳会議が7日、2日間の日程を終え閉幕した。議長国ブラジルのルラ大統領は記者会見で、BRICSの反米政策に同調する国に10%の追加関税を課すと表明したトランプ米大統領を念頭に、「関税を脅しに使うのは無責任だ」と批判した。ロイター通信が報じた。
ルラ氏は「世界は皇帝を望んでいるのではない。各国には主権があり、もし米国が関税を課せば同じことをする権利がある」と報復関税も示唆。「BRICSは誰かと対立するために設立されたのではない」と強調した。
BRICSは6日に採択した「リオデジャネイロ宣言」で、米国を名指しすることは避けつつ、「世界貿易機関(WTO)のルールに反する一方的な関税措置を深く懸念する」などと批判。これを受け、トランプ氏は交流サイト(SNS)で追加関税について言及し、BRICSへの対抗姿勢を示していた。