1979年にイランで学生らが米国の外交官らを人質にして立てこもった事件の発生から4日で40年となるのを控え、舞台となった首都テヘランの旧米国大使館で2日、反米思想を描いた新たな壁画が公開された。ニューヨークの「自由の女神」像は、たいまつを握った右手が折れた状態で描かれた。
大使館敷地を囲う壁の絵には、イラン革命防衛隊が6月に撃墜した米軍の無人偵察機グローバルホークとみられる機体の周辺にコウモリが飛んでいる様子や、どくろや銃を構えた兵士の図柄を用いた星条旗なども描かれた。
革命防衛隊のサラミ司令官は2日に開かれた公開式典で演説し「米国は多くの紛争に関与し、多くの人命が失われた」と述べ、米国の中東政策は失敗の連続だと非難した。
米大使館人質事件は、イラン革命から約9カ月後に起きた。学生らが米大使館になだれ込み、外交官らを人質に444日間立てこもった。(共同)