サンパウロ市北西部ペルース地区で2日(日)の午後、ウィリー走行(バイクの前輪を地面から持ち上げて後輪だけの走行)をしていたバイク運転手が、横断歩道を通過中の88歳の高齢者を轢き殺す事件が発生したと4日付UOLなどが報じた。
この事故は、同地域を通るエンジェニェイロ・アウグスト・ドゥランテ街で発生し、防犯カメラ映像には事故の瞬間が捉えられていた。
被害者のルシオ・コロジスさんは、松葉杖をついて横断歩道をゆっくりと渡っていた際に、ウィリーで走行してきたバイクに轢かれ、数メートル飛ばされて地面に倒れた。加害者のバイク運転手も転倒したが、すぐに起き上がり、地面に落ちた自身の私物を拾うために一旦戻ったものの、ルシオさんを救助することなく逃走した。
ルシオさんは、事故現場を通りかかった人々が呼んだ救急車で病院に緊急搬送されたが、その後死亡が確認された。
加害者の男は事故後、警察署に出頭したが、その時点では逮捕されることなく釈放された。ただし、警察は彼が自動車運転中の故意の殺人および救護義務違反の罪を犯した可能性が高いと判断し、身柄の拘束を求めているが、この勾留請求に対する司法審査はまだ行われていない。男の身元は公表されていない。
ルシオさんの遺体は4日、同地域のドン・ボスコ墓地に埋葬された。
同様の事故は、1月4日にもサンパウロ市東部で発生した。レオニルド・フェレイラ・シルヴァさん(55歳)は、6歳の孫と一緒にサポペンバ地区の通りを横断中、ウィリー走行していたバイクに轢かれ、即死。孫も重傷を負った。
25歳の加害者の男は事故直後に逮捕された。マルコス・リベイロ・ジアス・ダ・シルヴァ容疑者は、現行犯での逮捕後、予防拘禁に移され、弁護人を持たないまま拘留されている。
ウィリー走行は、ブラジル交通法第244条第Ⅲ項において極めて重大な違反とされており、293・47レアル(約7750円)の罰金が科せられ、さらに運転免許の自動停止が2〜8カ月の間で適用される。再犯の場合、運転免許の停止期間は8〜18カ月となる。