反政府勢力と政府軍の衝突が続くコンゴ民主共和国(DRC、旧ザイール)の主要都市ゴマで、刑務所の集団脱獄があった。国連は、女性受刑者100人以上がレイプされ、その後に生きたまま焼かれたとしている。
人口が100万人を超えるゴマは現在、反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」の戦闘員らが占拠している。M23はルワンダの支援を受け、コンゴ民主共和国の東部を急速に前進した。
脱獄は1月27日に市内のムンゼンゼ刑務所であり、受刑者数百人が逃げた。
BBCが内容を確認した国連の内部文書によると、脱獄が起きている最中に、女性165〜167人が男性受刑者らから暴行を受けた。受刑者らは刑務所に火を放ち、それらの女性のほとんどは殺されたとされる。
BBCは、この報告文書の正確性を検証できていない。
ゴマの街は大混乱に陥っている。通りには死体が転がっており、一部報道では、民家の上をミサイルが飛んでいるとされる。
脱獄の動画では、背後で煙が立ち上る中、人々が建物から逃げているのがわかる。激しい銃声も聞こえる。
別の動画には、脱獄した受刑者と思われる人々がゴマの通りを歩いているのが映っている。
国連によると、この戦闘ではこれまでに少なくとも2900人が死亡した。うち2000人の遺体は埋葬されたが、まだ900人の遺体は市内の安置所に置かれたままだという。
ゴマではコレラの発生が懸念されている。
慈善団体「国境なき医師団」(MSF)の地域責任者ステファン・ゲトグビュアー氏は、「水は何日も絶たれ、通りには死体が横たわり、コレラなどの水系感染症が現実の脅威となっている」、「私たちのコレラ治療センターのいくつかはいっぱいで、拡張された」と話した。
今週初めには、M23が人道的理由による停戦を発表した。
しかし情報筋によれば、M23は5日に新たな攻撃を開始し、鉱山の町ニャビブウェを占領したもようだという。ニャビブウェは、同国東部の第2の都市ブカヴから約100キロ。
(英語記事 More than 100 women raped and burned alive in DR Congo jailbreak, UN says)
(c) BBC News