多極化世界への懸念、日本人が最多?! ミュンヘン安全保障会議調査で明らかに

米国の単独覇権時代が終わりを告げ、中国やロシアが主導する多極化世界が到来しつつあります。しかし、この新しい世界秩序に不安を抱く人が多いのも事実です。ミュンヘン安全保障会議が行った国際調査によると、日本人の実に54%が、多極化世界に「懸念」を抱いていることが明らかになりました。これは主要先進国・新興国の中で最も高い数値です。同時に、自国の将来を悲観的に見ている国民も、日本が最も多いという結果が出ています。

多極化世界への不安、なぜ日本は突出?

この調査は、2023年7月と11月に、世界17カ国、計1万7千人以上を対象に行われました。多極化世界に対して「懸念」を抱く日本人は54%に達し、17カ国中最多。逆に「希望」を見いだすと回答した人はわずか18%で、こちらも最低でした。「懸念」「希望」ともに、他の国々との差は10ポイント以上。日本人の多極化世界に対する不安の大きさが際立っています。

多極化世界イメージ多極化世界イメージ

ミュンヘン安全保障会議の年次報告書は、この結果を受けて「日本は(米)一極時代の終焉に特に動揺している」と指摘。米国による抑止力の低下を危惧する日本人の安全保障観を特記しています。国際情勢専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「地理的に中国やロシアに近接していること、歴史的な背景、そして経済的な相互依存関係の複雑さが、日本人の不安を増幅させている可能性がある」と分析しています。

10年後の日本、明るい未来を描けるか?

さらに、10年後の自国について「今より安全」「今より豊か」と考える日本人の割合も、それぞれ13%と最も低い結果となりました。世界的な経済不安、気候変動問題、そして地政学的なリスクの高まりなど、未来への不安要素は確かに多く存在します。

希望の光を見出すために

しかし、悲観ばかりしていても何も変わりません。食料自給率の向上や再生可能エネルギーへの転換、そして国際社会との協力強化など、日本が取り組むべき課題は山積しています。これらの課題に真摯に向き合い、具体的な行動を起こしていくことで、未来への希望を築いていくことができるはずです。

多極化時代の波を乗り越えるために

多極化世界は、日本にとって大きな試練であると同時に、新たな可能性を秘めた時代でもあります。変化の波を恐れず、柔軟に対応していくことが求められます。国内の様々な意見を尊重しつつ、国際社会との対話を深め、多極化時代における日本の役割を模索していくことが重要です。