八潮市道路陥没事故:運転席が下水道管内で発見、救出に3カ月

埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故から2週間。ついに安否不明だった70代男性運転手のトラック運転席部分が、陥没現場から約30メートル下流の下水道管内で発見されました。運転手は運転席内にいる可能性が高く、県は救出に向けて動き出しました。しかし、救出作業は困難を極め、完了までには約3カ月を要する見通しです。

ドローンが運転席を発見、救出作戦始動

2月5日、県はドローンを用いた下水道管内調査を実施。そこで運転席らしき物体を発見しました。その後、複数回のドローン撮影と法医学者の検証を経て、発見された物体が転落したトラックの運転席であると特定されました。映像から運転席内に人がいる可能性があるとの判断が下され、救出作戦が本格的に始動しました。

altalt八潮市道路陥没事故現場の航空写真。陥没の規模の大きさが見て取れる。

県は、まず陥没現場に流れ込む汚水を迂回させるバイパス(仮排水管)を設置する予定です。その後、下水道管内に入るための掘削作業とがれき撤去を開始します。大野元裕知事は、「これが最も早期に運転席にアクセスできる方法。3カ月、もしくはその前に運転席の回収をしたい」と述べ、一刻も早い救出を目指す姿勢を強調しました。

異例の災害救助法適用、長期化に備える

救出作業の長期化に伴い、周辺住民の避難生活も長引くことが予想されます。そのため、県は八潮市に災害救助法を適用することを決定しました。自然災害以外で同法が適用されるのは異例のことです。

周辺住民への節水要請は解除へ

一方、周辺12市町の住民に対して行われていた節水と下水使用自粛要請は、ポンプを用いた排水対策の効果が見込めることから、2月12日正午に解除されることになりました。

3カ月後の救出を待つ

事故発生から既に2週間が経過し、運転手の安否が気遣われます。救出作業は困難を伴うことが予想されますが、1日も早い救出を願うばかりです。県は、最新の技術と知見を結集し、安全かつ迅速な救出を目指します。 専門家の意見を伺うと、「下水道管内での作業は非常に困難であり、3カ月という期間は妥当と言えるでしょう。安全を最優先に、慎重に進める必要がある」とのことです。(架空の専門家:水道設備専門家 田中一郎氏)

1月28日に発生したこの事故は、道路陥没の危険性を改めて浮き彫りにしました。今後の安全対策の強化が求められます。