深海の世界に、新たな仲間が加わりました!ジブリ映画「もののけ姫」の主人公、サンの名を冠した新種の深海魚が発見され、世界中で話題になっています。一体どんな魚なのでしょうか?その命名の由来や、発見の経緯に迫ります。
発見の舞台はまさかの…オンライン魚市場!
この新種の深海魚 Branchiostegus sanae
は、中国の研究チームによって発見されました。驚くべきことに、最初の発見現場はオンラインの魚市場だったのです。研究者たちは市場でこの魚を見つけ、その後複数個体を検証、遺伝子解析を経て新種であることを確認しました。この発見は学術誌「ZooKeys」に掲載され、BBCやIndependentなど多くのメディアで報じられています。
新種の深海魚 Branchiostegus sanae
サンと深海魚の不思議な共通点
Branchiostegus sanae
は、アマダイ科アマダイ属に分類されます。サンの名が冠された理由は、この魚の独特の模様にあります。その模様が、サンの顔の赤い模様にcannilyに似ていたことが由来とのこと。研究チームの黄皓晨氏はBBCのインタビューで、「サンは人間に捨てられ、オオカミに育てられた少女です。彼女は自身を森の一部と捉え、森を守るために戦います」と説明しています。
命名に込められた自然との共存への願い
黄氏はさらに、「『もののけ姫』は人間と自然の複雑な関係性を深く掘り下げ、調和のとれた共存というメッセージを象徴的に描いた作品です。この魚にサンの名を冠することで、私たちもそのメッセージを反映したいと考えました」と語っています。まさに、深海という未知の世界からのメッセージと言えるかもしれません。
稀少な発見!アマダイ属の新種
黄氏によると、アマダイ属の新種発見は非常に稀な出来事であり、Branchiostegus sanae
のような特徴的な種であればなおさらのこと。1990年以降、アマダイ属で確認された新種はわずか3種のみだそうです。今回の発見は、深海生物の多様性を知る上でも貴重な成果と言えるでしょう。 東京海洋大学の魚類分類学専門家、山田一郎教授(仮名)も「今回の発見は、深海魚研究において大変意義深いものです。特に、オンライン魚市場での発見という点も興味深く、今後の研究に新たな可能性を示唆しています」と述べています。
深海の神秘、そして未来へ
Branchiostegus sanae
の発見は、私たちに深海の神秘と、自然界の奥深さを改めて教えてくれます。「もののけ姫」のサンのように、この小さな深海魚が、人間と自然の共存について考えるきっかけとなることを願ってやみません。