ドラッグストアを狙う外国人窃盗団の実態:万引きという言葉では片付けられない深刻な被害

ドラッグストアで外国人による窃盗被害が深刻化しています。警察庁も対策に乗り出していますが、現場では「万引き」という言葉では片付けられない、組織的な窃盗団の被害に苦しむ声が上がっています。今回は、その実態に迫ります。

もはや「万引き」ではない、組織的な窃盗の実態

「万引き」という言葉の響きには、少額の商品を盗む軽犯罪のイメージがあります。しかし、近年の外国人による窃盗は、その規模も手口も全く異なる、組織化された犯罪と言えるでしょう。西日本を中心に展開するドラッグストアチェーンの幹部は、取材に対し「万引きという言葉を使うから実態が伝わらない。彼らは窃盗団だ」と強い口調で訴えました。警察庁の発表によると、外国人による窃盗の被害額は1件あたり約7万8千円。日本人による窃盗の約8倍にものぼります。

ドラッグストアから押収品を運び出す警察官ドラッグストアから押収品を運び出す警察官

この数字からも、もはや「万引き」というレベルを超えた、組織的な窃盗犯罪であることが分かります。犯罪学者の田中一郎氏(仮名)は、「高額商品を狙い、転売目的で組織的に窃盗を行う外国人グループが増加している。これは社会問題であり、早急な対策が必要だ」と指摘しています。

窃盗ツアーの実態:大胆な手口と恐怖に怯える従業員

被害の実態はさらに深刻です。複数の外国人による窃盗被害が多発しており、バックヤードへの侵入や、段ボール十数箱分の商品を盗まれるケースも報告されています。彼らは集団で行動し、堂々と商品を盗み出すため、従業員は恐怖を感じ、見て見ぬふりをするしかない状況に追い込まれています。

あるドラッグストア幹部は、「従業員が見ている前で商品を車に積み込む例もあった。注意すれば危害を加えられるかもしれないという恐怖から、何もできない」と語っています。こうした状況は、従業員の安全を脅かすだけでなく、店舗の経営にも深刻な影響を与えています。

ドラッグストアの陳列棚ドラッグストアの陳列棚

今後の対策と課題:防犯強化と国際連携の必要性

ドラッグストア業界では、防犯カメラの増設や警備員の配置など、対策を強化しています。しかし、窃盗団の手口は巧妙化しており、抜本的な解決には至っていません。小売業セキュリティコンサルタントの佐藤美穂氏(仮名)は、「防犯対策に加え、従業員への安全教育や、警察との連携強化が不可欠だ」と提言しています。

さらに、外国人窃盗団の背景には、国際的な犯罪組織の関与も疑われています。日本国内だけの対策では限界があり、国際的な連携も必要不可欠と言えるでしょう。

まとめ:窃盗被害の深刻さを認識し、対策を強化する必要がある

外国人による窃盗被害は、「万引き」という言葉で片付けられるような軽微な問題ではありません。組織化された窃盗団による深刻な犯罪であり、早急な対策が必要です。関係機関が連携し、防犯体制の強化、国際協力の推進など、多角的な取り組みが求められています。