高齢者を対象とした新型コロナワクチンの定期接種が始まって数ヶ月が経ちました。接種率の推移、感染状況、そしてワクチンのメリット・デメリットについて、専門家の意見も交えながら詳しく解説します。
ワクチン接種率の現状
厚生労働省のデータはまだ公開されていないため、名古屋市の接種率を参考に現状を把握してみましょう。2021年の1回目、2回目の接種率は90%以上と高水準でしたが、徐々に低下傾向にあります。前回お伝えした10月末時点での8回目の接種率はわずか2%でしたが、12月末時点の速報値では10%に上昇しました。7回目の接種率が34%であることを考えると、最終的な8回目の接種率は30%に届くか届かないか、という状況です。
名古屋市のワクチン接種率の推移
コロナとインフルエンザの感染状況比較
では、現在のコロナの感染状況はどうでしょうか。名古屋市におけるコロナとインフルエンザの感染状況を比較してみましょう。
新型コロナウイルス感染症
- ワクチン接種率:10%
- 1医療機関あたりの患者数(1月22日時点):6.27人
- 2024年 年末の最高値(12月29日時点):8.13人
インフルエンザ
- ワクチン接種率:45%
- 1医療機関あたりの患者数(1月22日時点):16.13人
- 2024年 年末の最高値(12月29日時点):67.49人
このデータから、コロナワクチン接種率はインフルエンザワクチンよりも低い一方で、患者数もインフルエンザより少ないことが分かります。
ワクチンのメリット・デメリット:専門家の見解
コロナワクチン接種は推奨されていますが、メリットとデメリットが存在します。それぞれの観点から見ていきましょう。
メリット
厚生労働省は重症化予防などをメリットとして挙げています。感染症専門医の山田先生(仮名)も、「ワクチン接種によって重症化リスクを大幅に減らすことができる」と指摘しています。
デメリット
ワクチンのデメリット、特に副反応については、公の場で語る医師は少ないのが現状です。取材した医師からは、「ワクチンについてマイナスのことを言うと仕事がしづらくなる」という声も聞かれました。一方で、免疫学の権威である佐藤先生(仮名)は、「副反応のリスクはゼロではないため、個々の状況に合わせて慎重に判断する必要がある」と述べています。
まとめ
高齢者のコロナワクチン接種率は上昇傾向にあるものの、依然として低い水準です。感染状況はインフルエンザと比較すると落ち着いていますが、ワクチン接種にはメリットとデメリットが存在するため、個々の状況を踏まえて判断することが重要です。