平穏だった街が突如として悲劇の現場と化した、埼玉・八潮市の道路陥没事故。しかし、インフラの老朽化により、道路陥没の危険は全国どこにでもあります。悲劇を繰り返さないため、何をすべきなのか?専門家の提言により見えてきた様々な“壁”とは―。
■突如道路が崩落しトラックが落下…二次被害の恐れなどから救助難航
2025年1月28日、東京・足立区や葛飾区に隣接する埼玉・八潮市で、突如交差点内の地面が崩れ、走行中のトラックが転落しました。運転していた男性(74)は当初、消防などの呼びかけに応じていたといいます。
しかし、崩落箇所は次第に広がり、二次被害の恐れなどから救助作業は難航。男性が乗っていた運転席部分は土砂に埋もれて見えなくなり、下水道管の内部で、変形して見つかりました。2025年2月10日、陥没した穴での捜索は打ち切られましたが、男性の安否はいまだわかっていません(2025年2月11日現在)。
■コンビニの入り口前が“断崖絶壁”に…JR博多駅近くで起きた大規模な崩落事故
こうした陥没事故は、各地で起きています。2016年には、JR博多駅のすぐ近くでも。道路の両端の穴が徐々に広がっていき、信号機も一瞬で穴の中へ…。
約1時間後には中央部分が崩れ落ち、巨大な一つの穴に。大きさは、縦横約30メートル、深さ約15メートルにも達しました。
コンビニエンスストアは、目の前が断崖絶壁のような極めて危険な状態に陥りました。
(目撃した人)
「どんどん大きくなっていって、地面が揺れる感じとか、ちょっと怖かったです」
さらに―。
(警察官)
「ただいま、周辺にてガスが発生しているとの情報が入っています。たばこ等火気厳禁です、ご協力お願いします。規制を広げるので下がってください、お願いします」
■大規模陥没が発生し一帯水浸しになった広島市…日常生活への影響は4か月経った今も
2024年9月には、広島市で大規模な陥没が発生。マンションが立ち並ぶ住宅街の道路は大きく沈み込み、一帯は水浸しに。周辺には、避難指示も出されました。
この事故で、半径50メートル以内にある27棟のうち9棟が「倒壊の危険性がある」と判定され、影響は今も続いています。事故から約4か月、被害を受けた建物の解体工事がようやく始まり、市営住宅や運送会社の建物から、壁や天井の一部が運び出されました。