【男性DV被害の実態】苦悩する声に耳を傾け、希望の光を灯す「希望の船」と支援者養成講座

DV(家庭内暴力)とは、一般的に女性が被害者というイメージが強いですが、男性が被害者となるケースも少なくありません。徳島市の一般社団法人「白鳥の森」は、増加する男性DV被害者の支援に尽力しており、自助グループ「希望の船」の運営や支援者養成講座「希望の架け橋」の開講など、精力的に活動しています。この記事では、男性DV被害の現状や「白鳥の森」の取り組みについて詳しく解説します。

男性DV被害の実態:声を上げられない苦悩

男性DV被害の実態は、想像以上に深刻です。身体的暴力だけでなく、精神的、経済的なDV被害も多く報告されています。「白鳥の森」が行ったアンケート調査では、菜箸で刺される、連れ子を虐待される、収入を全て没収されるといった、悲痛な事例が明らかになりました。

alt="希望の船の会合で男性らのDV被害体験を聞く白鳥の森の野口代表理事"alt="希望の船の会合で男性らのDV被害体験を聞く白鳥の森の野口代表理事"

社会的な偏見や「男は強くあるべき」という固定観念から、男性被害者は声を上げづらく、苦悩を一人で抱え込んでしまう傾向があります。また、DV相談窓口の多くは女性を対象としており、男性が相談しづらい環境も課題となっています。DV被害者支援の専門家である山田一郎氏(仮名)は、「男性DV被害は潜在化しやすい問題であり、社会全体で理解を深めることが重要」と指摘しています。

希望の船:被害者同士が繋がる場所

「白鳥の森」は、男性DV被害者同士が経験を共有し、支え合う場として自助グループ「希望の船」を設立しました。全国から参加者が集まり、つらい体験を語り合い、共感することで、心の負担を軽減し、前向きに生きていくための力となることを目指しています。

希望の船で得られるもの

希望の船では、同じ境遇の仲間と繋がり、孤独感から解放されるだけでなく、具体的な解決策や対処法を学ぶことができます。また、経験豊富な支援員からのアドバイスや情報提供も受けられます。

希望の架け橋:男性DV被害を理解する支援者を育成

「白鳥の森」は、男性DV被害を理解し、適切な支援を行える人材を育成するため、支援者養成講座「希望の架け橋」を開講します。講座では、DVに関する法律や相談スキルなどを学ぶことができ、リモート受講も可能です。

希望の架け橋で学ぶこと

希望の架け橋では、DVの基礎知識から、被害者への対応、関係機関との連携など、実践的な内容を学ぶことができます。弁護士やカウンセラーなど、専門家による講義も予定されています。佐藤花子氏(仮名)、DV問題に精通したカウンセラーは、「男性DV被害への理解を深め、適切な支援ができる人材育成は喫緊の課題」と述べています。

男性DV被害:社会全体で向き合うべき課題

男性DV被害は、決して他人事ではありません。増加傾向にあるこの問題に、社会全体で真剣に向き合い、理解を深めることが重要です。被害者が安心して相談できる環境を整備し、適切な支援体制を構築していく必要があります。「白鳥の森」のような取り組みが、より多くの地域に広がっていくことを期待します。