中国メモリー半導体、驚異の躍進で韓国勢を脅かす!

近年の中国メモリー半導体業界の成長は目覚ましく、世界市場を揺るがしています。かつて韓国メーカーが独占状態だったDRAM市場において、中国の長鑫存儲技術(CXMT)が急速にシェアを拡大し、存在感を高めているのです。

中国DRAMメーカーCXMTの台頭

フィナンシャル・タイムズ紙の報道によると、CXMTのDRAM市場シェアは2020年にはほぼゼロでしたが、2022年には5%にまで急上昇しました。これは、世界のDRAM市場で80%のシェアを誇るサムスン電子やSKハイニックスに比べればまだ低い水準ですが、中国政府が半導体国産化を強力に推進している現状を鑑みると、数年後には韓国メモリー産業にとって大きな脅威となる可能性が懸念されています。

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CXMTは旧式の半導体だけでなく、最新のDDR5やAIチップに不可欠なHBM(広帯域メモリー)の開発にも注力しており、韓国メーカーが優位性を保ってきた高付加価値・高性能メモリー半導体分野においても、競争力を高めています。韓国メーカーは、高価格帯ではマイクロン、低価格帯ではCXMTとの競争に晒され、まさに板挟みの状態と言えるでしょう。

韓国の成功体験を模倣するCXMT

DRAM市場は長年にわたり、サムスン電子とSKハイニックスによって支配されてきました。しかし、中国メーカーの急速な成長により、韓国の牙城は揺らぎ始めています。市場調査会社トレンドフォースは、CXMTのDRAM市場シェアは2023年末までに12%に達すると予測しています。

CXMTは、韓国メーカーの成功戦略をそのまま踏襲し、シェア拡大を図っています。具体的には、大量生産による低価格攻勢で競合他社を排除し、市場を席巻するという戦略です。これは、1990年代から2000年代初頭にかけて、サムスン電子をはじめとする韓国メーカーが、いわゆる「チキンゲーム」によって日本や台湾のDRAMメーカーを市場から駆逐し、世界トップに躍り出た手法と酷似しています。

実際、2022年下半期には中国製の低価格DRAMが大量に市場に流入し、DRAMの平均取引価格が30%以上も暴落しました。その結果、サムスン電子やSKハイニックスの収益性も悪化しました。かつて韓国メーカーが日本メーカーを駆逐した時と同じ状況が、今まさに韓国メーカー自身に降りかかっていると言えるでしょう。

未来の半導体市場はどうなる?

CXMTの躍進は、世界の半導体市場の勢力図を塗り替える可能性を秘めています。韓国メーカーは、技術革新とコスト削減の両立を図り、競争力を維持していく必要があるでしょう。今後の半導体市場の動向に、世界中が注目しています。