米副大統領発言が波紋 欧州反発、新たな火種に ミュンヘン安保会議


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 ドイツのショルツ首相は15日、「われわれの民主主義と選挙への介入は受け入れられない」と反発。トランプ米政権発足後、亀裂が深まる米国と欧州の新たな火種となる恐れがある。

 バンス氏は14日の演説で、欧州における偽情報やヘイトスピーチ(憎悪表現)などの規制を「言論の自由の弾圧」と非難。さらに23日の独総選挙を前に、移民排斥を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への実質的な支持も表明した。

 これに対し、ショルツ氏は戦前にナチス台頭を許した反省に触れ、「ファシズムも人種差別も侵略戦争も、決して繰り返さない」と強調。ナチスが犯した罪をAfDが矮小(わいしょう)化しているとして、「『決して繰り返さない』という誓いとAfDへの支持は両立しない」と語った。

 支持率トップの保守野党キリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首もバンス氏を批判し、「われわれは特定のメディアを記者会見から排除しない」と述べた。メキシコ湾を「アメリカ湾」と表記しなかったとして、米AP通信を記者会見から排除したトランプ政権をやゆした形だ。

 欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表(外相)は「われわれに戦いを挑もうとしているようだ」と指摘。フランスのバロ外相も「誰にもわれわれのやり方を押しつけないが、誰もわれわれにやり方を押し付けることはできない」と嫌悪感をあらわにした。

 欧州メディアも発言を大きく報じた。仏紙ルモンド(電子版)はバンス氏の発言を「欧州に対する政治思想上の宣戦布告」と伝えた。 



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