斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラや贈答品などの疑惑を元県民局長の男性=昨年7月に死亡、当時(60)=が告発した問題で、男性の私的情報などを記した文書を何者かが政治団体「NHKから国民を守る党」党首、立花孝志氏に渡し、交流サイト(SNS)上で拡散されたことで業務を妨害されたとして、県議会調査特別委員会(百条委員会)の奥谷謙一委員長は19日にも、偽計業務妨害罪での刑事告発を視野に、被害状況をまとめた書面を県警に提出する。奥谷氏が18日、記者団の取材に応じ明らかにした。
奥谷氏は、文書を基にした誤った情報がX(旧ツイッター)で拡散され、さまざまな動画が作成されて苦情の電話などが奥谷氏らの事務所に殺到したと説明。「立花氏が(文書を基に)誤った情報を発信し、われわれの業務が妨害を受けたのであればしかるべき対応をしていかないといけない」とし、「一体何があったのかきちんと解明し、県民の皆さんに知っていただく必要がある」と話した。
文書を巡っては、立花氏が動画などで、日本維新の会の岸口実県議から受け取ったと発言。岸口氏はこれを否定したが、立花氏と面会したことは認め、日本維新の会の調査に対し「主導的な立場で文書を渡したわけではないが、立花氏との面談に同席しており、渡したといわれても仕方がない」などと話したという。奥谷氏は「被疑者不詳」として県警に相談するとしている。