韓国で活躍するポーランド出身のモデルが、韓国人男性から性的なメッセージや飲酒の強要、そして人種差別的な発言を受けたとSNSで告発し、波紋を広げている。外国人への嫌がらせ問題は韓国社会で根深く、改めてその深刻さが浮き彫りになった。
外国人モデルへの嫌がらせの実態
SNSでインフルエンサーとしても活動するこのポーランド人モデルは、韓国での日常生活で繰り返される嫌がらせ被害を告白した。居酒屋で友人と過ごしていた際に、見知らぬ韓国人男性から飲酒の誘いを受けたが断ると、卑猥な言葉で罵倒され、「母国に帰れ」といった人種差別的な発言を浴びせられたという。さらに、友人が抗議すると、男性は「英語が話せるのか」「どこの国の人間だ」と詰め寄るなど、威嚇的な態度をとったと訴えている。
韓国の居酒屋で嫌がらせを受けたポーランド人モデル
また、以前にも別の韓国人男性から「ホテルはどこか」「家はどこか」と執拗に個人情報を聞かれた経験も明かしており、こうした性的な嫌がらせ被害が日常的に起きていると指摘している。
SNSでの告発と波紋
度重なる嫌がらせに、彼女はSNS上で「今後、性的なメッセージを送る者は全員通報する」「不快な画像を送ればSNSにさらし、警察に届け出る」と強い警告を発した。この告発はすぐに拡散され、韓国のオンラインコミュニティ「ボベドリーム」などでは「韓国人として申し訳ない」「こういう行動が国の恥だ」といった謝罪や批判の声が相次いでいる。 韓国社会における外国人への差別や偏見を改めて問う声も上がっており、大きな波紋を呼んでいる。
専門家の見解
社会学者のパク・ミンジュン氏(仮名)は「今回の事件は氷山の一角に過ぎない可能性が高い。外国人に対する差別意識や性的なハラスメントは、依然として韓国社会に根強く存在している。より効果的な対策と意識改革が必要だ」と指摘する。
外国人差別の根絶に向けて
外国人労働者や留学生など、多くの外国人が暮らす韓国。多文化共生社会の実現に向けて、外国人への差別や偏見をなくすための取り組みが急務となっている。教育機関や企業、そして政府が連携し、意識改革や啓発活動を進める必要があるだろう。
この事件をきっかけに、韓国社会が外国人に対する人権意識を高め、真に多文化共生を実現できる社会へと前進することを期待したい。