現代社会はストレスフル。仕事、人間関係、予期せぬ出来事…日々さまざまな感情に振り回されていませんか？感情の波に乗りこなし、自分らしく生きるヒントを、ベストセラー『Master of Change 変わりつづける人：最新研究が実証する最強の生存戦略』からご紹介します。
「反応」と「対応」：人生を左右する行動の違い
私たちは日常の中で無意識に「反応」しています。例えば、レジの行列が遅いとイライラしたり、上司に叱責されるとすぐに言い訳したり。これらは深く考えず、感情のままに行動する「反応」です。
一方、「対応」は意識的な行動。同じ状況でも、感情に流されず、冷静に状況を判断し、最適な行動を選びます。本書の著者ブラッド・スタルバーグ氏は、この「反応」と「対応」の違いが人生を大きく左右すると説きます。
レジで会計を待つ人
脳科学が解き明かす「反応」と「対応」のメカニズム
スタルバーグ氏は神経科学の知見を引用し、「対応」と「反応」は脳内で同時に起こりえないと説明します。 脳には思考や計画を司る「ワクワク回路」と、怒りなどを司る「怒り回路」があり、一方が活性化するともう一方は抑制されるのです。 つまり、「ワクワク回路」を使って意識的に行動すれば、「怒り回路」は抑制され、感情のスパイラルに陥るのを防ぐことができるのです。 料理研究家の佐藤恵美先生も、「集中して料理をしている時は、他の雑念が入らず、心が落ち着く」と仰っています。これはまさに「ワクワク回路」が活性化している状態と言えるでしょう。
「反応」し続けるリスクと健康への影響
「反応」ばかりしていると、精神的に疲弊し、燃え尽き症候群や慢性疲労、うつ病のリスクが高まります。感情に振り回され続ける人生は、心身に大きな負担をかけるのです。
瞑想：感情のコントロールを学ぶ
では、どうすれば「反応」ではなく「対応」できるようになるのでしょうか？スタルバーグ氏は「瞑想」を推奨しています。瞑想は心を無にすることではなく、感情に流されず、客観的に観察する訓練です。
例えば、瞑想中に怒りを感じたら、「なぜ怒っているのか？」と分析するのではなく、「今、怒りを感じている」とただ認識する。この練習を繰り返すことで、日常生活でも感情をコントロールする力が身につくのです。メンタルヘルス専門家の田中一郎先生も、「瞑想は感情の波に乗りこなし、冷静さを保つのに効果的」と述べています。
まとめ：意識的な行動で人生を豊かに
感情に流されず、意識的に「対応」することで、私たちはより良い選択をし、人生を豊かにすることができます。瞑想を取り入れるなど、今日からできる小さな一歩を踏み出してみませんか？
