ドイツの未来を占う連邦議会（下院）選挙が2023年9月23日に実施されました。メルケル前首相が率いたキリスト教民主・社会同盟（CDU・CSU）が支持率トップを走り、4年ぶりの政権奪還が濃厚となっています。今回の選挙では、難民・移民問題への関心の高まりを受け、反移民を掲げる右派政党「ドイツのための選択肢」（AfD）の躍進も注目されています。欧州、そして世界におけるドイツの立ち位置を左右する重要な選挙の結果と今後の展望について、詳しく解説します。
選挙結果と今後の政権構想
ドイツ東部ポツダムで投票するショルツ首相
出口調査によると、CDU・CSUが支持率29%で首位を獲得、AfDが21%で2位につけています。 現職のショルツ首相率いる社会民主党（SPD）と連立を組む緑の党は、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰や景気低迷、そして連立政権内での意見の相違などから支持率が低迷。連立から離脱した自由民主党（FDP）も議席獲得が危ぶまれる状況です。どの政党も単独過半数には届かない見込みで、今後の連立交渉が政権 formation の鍵を握ることになります。AfDは他党から敬遠されており、連立入りは難しいとされています。
注目ポイント：AfDの躍進とドイツ政治への影響
AfDの躍進は、ドイツ社会における移民問題への不安や不満の高まりを反映していると言えるでしょう。政治評論家の加藤一郎氏（仮名）は、「AfDの支持拡大は、既存政党への不信感の表れでもある。今後のドイツ政治において、移民問題への対応は重要な課題となるだろう」と指摘しています。AfDの勢力拡大は、ドイツ政治の不安定化要因となる可能性も懸念されています。
CDU・CSUの政策とメルツ党首の課題
CDU・CSUは、メルツ党首のもとで経済成長と財政健全化を重視する政策を掲げています。しかし、AfDの躍進を背景に、移民問題への対応も迫られることになります。メルツ党首は、穏健派と保守強硬派のバランスを取りながら、党内をまとめる手腕が問われるでしょう。
ドイツの未来：連立交渉の行方と国際社会への影響
今後の連立交渉は、CDU・CSUを中心とした連立政権が誕生する可能性が高いと見られています。しかし、連立パートナーとなる政党との政策調整は難航が予想され、安定した政権運営ができるかどうかは不透明です。ドイツの政治動向は、EUをはじめとする国際社会にも大きな影響を与えるため、今後の展開に世界中から注目が集まっています。
CDU・CSUが政権を奪還した場合、メルツ党首が次期首相となる可能性が高いです。 メルツ氏は、メルケル前首相とは異なる政策を打ち出す可能性もあり、ドイツの政治、経済、そして国際関係にどのような変化をもたらすのか、今後の動向に注目が集まっています。
