ロボットがスタッフとしてゲストを迎える日本のホテルについてのアルゼンチン人インフルエンサーのレビューが、インターネット上で大きな話題を呼んでいます。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が先日報じ、その独特の宿泊体験が世界中の注目を集めています。最先端技術を導入した「変なホテル」のチェックインから、その評判、そして技術的な課題に至るまで、詳細に迫ります。
アルゼンチン人インフルエンサーの「変なホテル」体験
アルゼンチン出身のインフルエンサー「manuenalemania」は、先月25日に東京の「変なホテル」での宿泊体験を自身のTikTokアカウントで公開しました。動画には、彼がホテルに入るとすぐ、制服を着たヒューマノイドロボットたちがフロントに並んでいる様子が映し出されています。インフルエンサーは、これらのロボットスタッフを「冷たくてゾクッとする」と表現。ロボットが振り向くたびに「私を見ないで、私を見ないで」と緊張した様子を見せ、チェックインを手伝ってくれたロボットには「あなたはとても怖いわ」と語りかけるなど、ユニークな反応が視聴者の興味を引きました。フロントでパスポートをスキャンし、宿泊日程を入力すると、客室のキーカードが自動で発行され、ロボットは「チェックインが完了しました。楽しいご宿泊になりますように」と案内しました。
「変なホテル」のフロントで宿泊客を迎えるヒューマノイドロボットスタッフのイラスト。
ネットユーザーの様々な反応とホテルの背景
この動画は8万8000回以上視聴され、世界中のネットユーザーから様々な反応が寄せられました。一部のユーザーは「ほとんどのホラー映画はこうして始まる」「ちょっと怖い」といった感想を漏らす一方で、「人間より親切そうに見える」「便利そう」など、ロボットによる未来的な接客に肯定的な意見も見られました。
「変なホテル」は2015年に長崎県で初めて開業し、現在では東京、大阪、京都など日本国内に約20店舗を展開しています。一部の支店では、恐竜をモチーフにしたロボットがチェックインを担当していることでも知られています。同ホテルは「世界初のロボットホテル」としてギネスブックにも登録されており、その革新的な取り組みが注目されてきました。
技術的課題と今後の展望
しかし、ロボットホテルにはまだ技術的な限界も存在します。過去には、ロボットの音声認識エラーや顧客の要求に対する不十分な対応、故障などが頻繁に発生しました。このため、ホテル側は一時約240台あったロボットの半数以上を減らし、一部の支店では人間のスタッフを改めて雇用するに至っています。
ロボットによるホテル運営は、効率化や省力化の可能性を秘める一方で、細やかな人間的な対応が求められる場面ではまだ課題があることを示しています。今後、AI技術の進化とともに、ロボットと人間のスタッフがどのように共存し、より質の高いサービスを提供していくかが注目されます。
参考資料
- サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)報道
- TikTokアカウント「manuenalemania」公開動画
- 変なホテル 公式サイト
- ギネス世界記録公式ウェブサイト