ドイツ連邦議会選挙が2023年9月23日に投開票され、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が第1党の座を獲得し、メルケル前首相の後継としてメルツ党首の首相就任が確実視されています。今回の選挙は、CDU・CSUの勝利と並んで、反移民を掲げる「ドイツのための選択肢(AfD)」の躍進という波乱の展開を見せました。
メルツ氏、勝利宣言!新政権はどうなる?
選挙管理委員会の暫定開票結果によると、CDU・CSUは得票率28.6%で第1党となりました。メルツ党首は勝利宣言を行い、「国民の信託を得た」と述べ、新政権樹立への意欲を示しました。しかし、単独過半数には届かず、連立政権の樹立が不可欠です。現在、社会民主党(SPD)との連立が有力視されていますが、メルツ氏はAfDとの連立は明確に否定しています。新政権は4月中旬ごろまでの発足を目指しています。
メルツ党首の笑顔
AfD躍進の背景:移民問題への不安
今回の選挙で最も注目すべき点の一つは、AfDの躍進です。得票率20.8%と、前回選挙から10.4ポイントも増加し、第2党となりました。この背景には、ドイツ社会に根強く存在する難民・移民問題への不安があると分析されています。AfDはこうした不安を巧みに利用し、支持を広げました。専門家の中には、「移民問題への対応策が今後の政権運営の鍵となる」と指摘する声もあります。(例:ミュンヘン大学政治学教授 田中一郎氏[仮名])
メルツ党首、オーバーハウゼンでの集会にて
SPD大敗、連立政権の行方は?
一方、ショルツ首相率いるSPDは得票率16.4%と大敗を喫しました。連立を組む緑の党も11.6%と大きく議席を減らしました。この結果を受け、ショルツ首相の今後の政治的立場は厳しいものとなるでしょう。今後の連立交渉において、SPDはCDU・CSUに対してどのような妥協案を提示するのか、注目が集まります。
新時代への幕開け:ドイツ政治の転換点
今回の選挙結果は、ドイツ政治の大きな転換点となるでしょう。メルツ新首相の下、ドイツはどのような方向へと舵を切っていくのか、世界中が注目しています。特に、難民・移民問題、経済政策、そして国際関係において、新政権の政策は大きな影響力を持つことになるでしょう。