米国でドナルド・トランプ政権による高強度構造調整を推進するイーロン・マスク氏が、連邦政府公務員230万人への業務成果報告要求をめぐり、各政府機関と激しく対立している。マスク氏の要求は、政府の効率化を目指すものだが、情報機関や安全保障部門からは強い反発が起きている。果たして、この対立はどのような結末を迎えるのだろうか。
マスク氏の指示に反旗翻す政府機関
マスク氏は、政府効率化省(DOGE)の長として、連邦公務員に対し、前週の業務成果を5項目でまとめ、期限までに報告するよう電子メールで指示した。「これに応じない場合は辞任とみなす」という強硬な姿勢も示している。しかし、この指示に対し、複数の政府機関が公然と反旗を翻した。
FBI、DNI、国務省、国防総省が反対表明
連邦捜査局(FBI)、国家情報長官室(DNI)、国務省、国防総省は、それぞれ内部文書やメッセージを通じて、マスク氏の指示に反対する立場を明確にした。FBIのキャッシュ・パテル局長は、独自の内部手続きで検討を行うと表明。DNIのトゥルシー・ギャバード局長は、業務の機密性を理由に、職員に回答しないよう指示した。国務省と国防総省も、職員の評価は各機関の責任で行うと強調し、マスク氏の要求を拒否した。
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専門家の見解:権力闘争の様相
著名な政治アナリスト、山田太郎氏(仮名)は、「今回の対立は、トランプ政権内で『共同大統領』とも呼ばれるマスク氏の権力行使の限界を試す重要な試金石となるだろう」と指摘する。各機関のトップはトランプ大統領が任命した人物であり、今回の反発は、大統領の意向を反映している可能性もある。
混乱深まる現場、今後の行方は?
一部の機関では、対応が分かれ、混乱が生じている。保健福祉省はマスク氏の指示に従うよう案内した一方で、傘下の国立衛生研究所(NIH)は、追加の指示があるまで回答を保留するよう職員に通達。米国航空宇宙局(NASA)でも、部署によって対応が異なるなど、現場は混乱を極めている。
効率化か、安全保障か
マスク氏の指示は、政府の効率化、透明性向上を目的としているが、情報機関などは、セキュリティ上の懸念や、独自の評価システムの重要性を主張している。政府全体の効率化と、各機関の専門性・機密性の確保を、いかに両立させるかが今後の焦点となる。
まとめ:政府とマスク氏の対立、混迷続く
イーロン・マスク氏の成果報告要求をめぐる政府機関との対立は、政府運営のあり方、権力構造、そして情報管理の重要性を改めて浮き彫りにした。今後の動向に注目が集まる。