ドイツで9月23日に行われた総選挙は、右派の躍進が注目される一方で、旧東独の共産主義政党の流れをくむ「左派党」も議席を大きく伸ばしました。その背景には、若年層をターゲットにしたTikTokを中心としたSNS戦略の成功があったと見られています。
左派党、躍進の理由とは?
左派党の獲得議席数は、前回の39議席から64議席へと大幅に増加する見込みです。得票率も4.9%から8.8%へと急上昇しました。
左派党のロゴ
その要因として、気候変動対策、反戦平和、所得格差是正といった明確な政策が有権者に響いたことに加え、若年層に人気の動画共有アプリTikTokでの情報発信に力を入れたことが挙げられます。選挙戦終盤で支持を急速に拡大させました。
TikTok戦略が若者を魅了
左派党は、TikTokで短い動画を配信し、複雑な政治問題を分かりやすく解説したり、候補者の親しみやすい一面を紹介したりすることで、若年層の関心を集めました。
ドイツメディアによると、今月実施された18歳未満の若者を対象とした模擬投票では、左派党が20.8%の得票率で主要政党を抑えて1位を獲得。これは、左派党のTikTok戦略が若年層への浸透に成功したことを示唆しています。
ドイツ政治の二極化進む?
ドイツでも、米国など多くの民主主義国と同様に、社会の二極化が進んでいると指摘されています。今回の総選挙結果も、その傾向を反映していると言えるでしょう。
TikTokのロゴ
専門家の間では、SNSを通じた情報発信が選挙結果に与える影響について、様々な議論が交わされています。例えば、政治アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「TikTokのようなプラットフォームは、若年層へのリーチが容易である一方、フェイクニュースの拡散リスクも抱えている」と指摘しています。
今後のドイツ政治の行方
左派党の躍進は、ドイツ政治の勢力図に変化をもたらす可能性があります。今後の連立交渉や政策決定において、どのような影響を及ぼすのか、注目が集まります。