ココイチことカレーハウスCoCo壱番屋が、値上げの影響で客足が遠のいているというニュースが話題になっています。原材料費や光熱費の高騰が続く中、外食チェーンはどのように生き残りを図っていくべきなのでしょうか。この記事では、ココイチの現状と他の外食チェーンの取り組みを分析し、今後の展望を探ります。
ココイチ、度重なる値上げで客離れ?
ココイチは2024年8月にベースとなるカレーやトッピングを平均10.5%値上げしました。これが客足に大きな影響を与えているとみられ、2024年9月以降、既存店の客数は5ヶ月連続で前年同月を下回っています。新型コロナウイルス禍からの業績回復を目指し、2022年には2度の値上げを実施しましたが、大きな客数減には繋がりませんでした。しかし、2024年の値上げは、消費者の負担感が増大している中で行われたため、客離れに繋がった可能性が高いです。
ココイチのカレー
トッピング値上げの影響も
ココイチでは、ベースのカレーに好みのトッピングを追加するスタイルが一般的です。しかし、トッピングの値上げ率は平均13.5%とベースカレーよりも高く、ポークカレーにロースカツとチーズを追加すると1262円と、手軽に食べられる価格ではなくなってきています。この高価格帯化も客足減少の一因と言えるでしょう。
ロイヤルホストも値上げ、外食業界全体に広がる値上げの波
ココイチだけでなく、他の外食チェーンも値上げに踏み切っています。ロイヤルホールディングスは2025年2月、「ロイヤルホスト」と「天丼てんや」の一部商品を値上げしました。ロイヤルホストは2024年9月以来約5ヶ月ぶり、てんやは2024年11月以来3ヶ月ほどの値上げとなります。コメの価格高騰に加え、輸入食材が多いことも値上げの要因となっています。
物価高騰への対応に苦慮する外食業界
ロイヤルホールディングスの阿部正孝社長は、「物価高に食らいついている」と現状を語っています。2024年後半からコメをはじめとする原材料価格のコントロールが難しくなっているとのこと。企業努力だけでは吸収できないコスト増を、価格に転嫁せざるを得ない状況が浮き彫りになっています。
ロイヤルホストのメニュー
外食チェーンの生き残り戦略とは?
度重なる値上げは、消費者の外食離れを招きかねません。外食チェーンは、価格に見合う価値を提供し、顧客満足度を高める工夫が求められます。例えば、高品質な食材の使用、メニューの多様化、サービスの向上などが挙げられます。また、テイクアウトやデリバリーの強化、デジタル技術を活用した顧客体験の向上なども重要な戦略となるでしょう。
専門家の見解
「外食産業ジャーナル」編集長(仮名)の山田太郎氏は、「消費者の節約志向が強まる中、外食チェーンは価格と価値のバランスをいかに保つかが課題」と指摘します。「単なる値上げではなく、新たな価値を提供することで、顧客の支持を得ることが重要」とのことです。
今後の展望
原材料価格の高騰は、今後も続くと予想されます。外食チェーンは、価格戦略だけでなく、コスト削減、業務効率化など、あらゆる面での努力が求められます。消費者のニーズを的確に捉え、新たな価値を提供することで、厳しい競争を勝ち抜いていくことができるでしょう。