岩手県大船渡市で山林火災、84棟焼失、873世帯に避難指示

大船渡市で発生した大規模な山林火災は、瞬く間に広がり、多くの家屋を焼き尽くし、住民を恐怖に陥れました。この記事では、火災の状況、避難の様子、そして住民の声をお伝えします。

鎮火の兆し見えず、被害拡大

2025年2月26日午後1時頃、岩手県大船渡市赤崎町で発生した山林火災は、強風にあおられ、瞬く間に複数の場所に延焼しました。午後5時時点で焼失面積は600ヘクタール以上、84棟が焼けるなどの被害が出ており、人への被害は未だ不明です。大船渡市は、合足、綾里地区の873世帯2114人に避難指示を発令。住民は不安と恐怖の中、避難を余儀なくされました。岩手県では19日から山林火災が相次いでおり、今回で3回目となります。

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避難住民の声:恐怖と悲しみ

合足地区に住む村上仁さん(86)は、当初、火災は遠くのことだと考えていました。しかし、消防団員からの避難指示を受け、家の裏山が火の海になっているのを目の当たりにし、パニック状態に陥ったといいます。大切なものも持たずに逃げ出した村上さんは、当時の状況を「パニック状態になった」と振り返りました。

綾里小学校6年生の泉佳澄さん(12)は、出火当時学校にいました。弟や他の生徒と共に避難所の「綾姫ホール」に避難しましたが、母親から「うちはもう燃える」と告げられました。その後、越喜来小学校の避難所へ移動した泉さんは、「ずっと火事が続いていたから、もしかしてまたあるかもと思っていたけど、うちが燃えちゃうなんて。すごい悲しい」と語りました。

専門家の見解:乾燥と強風が被害拡大の原因か?

防災専門家(仮名:佐藤一郎氏)は、今回の火災の急速な延焼について、乾燥した空気と強風が重なったことが主な原因だと指摘しています。また、山林の管理不足も火災拡大の一因になった可能性があると示唆しています。

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今後の対策と支援の必要性

今回の大規模火災は、改めて山林火災の恐ろしさを浮き彫りにしました。乾燥した時期は特に火の元に注意を払うとともに、地域住民の防災意識の向上、そして行政による迅速な情報提供と避難体制の整備が急務となっています。被災者への支援についても、早急な対応が求められます。