「あなたの知能は小学3年生で止まっている」――中1の夏に教師から衝撃的な言葉を言われた、ラッパーの札幌のギャグ男さん(28)。診断名は知的障害と、パニック障害だった。小学生の頃はそうした性質ゆえか、人とのコミュニケーションに苦労したことも…。ここでは彼が「地獄の小1学生時代」だったと振り返る、いじめられていた頃のエピソードを紹介。 『普通じゃない:知能が小3で止まった僕がラッパーをやっているわけ』 (彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/ 後編を読む )
【衝撃写真】イカツすぎる『全身タトゥー姿』も…元暴力団・知的障害を抱える青年ラッパー(28)の写真をすべて見る
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地獄の小学生時代
問題児の鈴木治貴は、いよいよ小学校に通うことになる。
この頃は、マジで地獄だったな。
幼稚園の頃はまだ、みんな幼いから誤魔化せてた部分もあった。だけど小学生にもなると、みんな少しずつ賢くなってくる。
するとどうなるか?
俺の「変さ」がより目立つようになるんだ。
俺に対するイジメは、さらにエスカレートしていった。
当時のストレスは、今思い出してもハンパじゃなかった。
俺はストレスを感じると暴飲暴食しちゃうタイプでさ。小学1年生からいきなり、ブクブク太り始めた。
イジメられる→ストレスで食べる→太る→さらにイジメられる……っていう、最悪のループが完成した。
一番標的にされたのは、やっぱり俺の喋り方だった。モノマネされて、馬鹿にされて、俺は日に日に人前で喋ることが嫌になっていった。
俺もやり返そうとするんだけど、そうするとどうしても、荒っぽいやり方に頼るしかなかった。ひとりじゃ勝てないから、教室の椅子を振り回したりとかしてさ。加減がわからなくて、いつもやりすぎちゃうんだ。
母さんは菓子折りを持って、毎日のように色んな家庭に謝りに行ってくれてた。
今は感謝してるけど、当時はそれがちょっとだけ気に入らなかった。なんか、俺だけが悪者にされてる気がしたんだ。母さんは口癖みたいに、「やられても我慢しなさい」って俺に言ってきた。
学校じゃそんな感じだし、日常生活の方も散々だった。
俺は運動だけじゃなくて、生活全般が上手くできないんだ。物事を理解したり、集中したりする能力がことごとく欠けてる。
特になくしものはひどかったな。
ある日、ランドセルをなくしたことがある。あんなにデカい物をどうやってなくすんだって思うけど、多分どっかに置いてきて、そのまま忘れてしまったんだ。
俺のランドセルは学校の近くの用水路を流れて、行き着いた先の川で発見された。
発見した警察から、母さんに慌てて連絡が来てさ、
「息子さんは無事ですか!?」
だって。
持ち主がわからないランドセルが川にプカプカ浮いてたら、そりゃ何かの事件だと思うよな。母さんはカンカンに怒ってた。
今も語り草になってる「ダメエピソード」
こういうダメなエピソードは、腐るほどあるよ。
今でも我が家の語り草になってるのが、ある年の「母の日」の出来事だ。
嬉しいような、困ったような表情に…母を喜ばせるため「タンポポの花束」を作った知的障害のある小学生→母親が素直に喜べなかった「意外すぎる理由」 へ続く
札幌のギャグ男/Webオリジナル(外部転載)