「なぜ店に行かずデリバリー?」外国人観光客がウーバーイーツを使いたがる理由【チャリンコ爆走配達日誌】


ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!

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ウーバーイーツの配達員を始めてから丸7年。人気の食べ物の移り変わり、注文される方のライフスタイルの多様化、配達サービスを行なう店の拡大などなど、さまざまな変化を配達しながら感じてきました。

その中から今回は、外国人観光客の方々の注文動向の変化について書いていこうと思います。

私が主に配達をしている銀座や日本橋エリアはビジネスホテルなどが立ち並ぶ場所。配達を始めた当初からウーバーイーツを利用する宿泊客の多いところです。

過去の動向については「日本を訪れる外国人観光客がウーバーイーツで頼む、今人気の料理とは?」や「ウーバーイーツの配達中、街に観光客が戻ってきたことを実感」でも書きましたが、最近増えているものは何か。それは深夜のコンビニ商品の配達です。

銀座や日本橋エリアを自転車で回っていると、コンビニ密集地帯がけっこうあります。なので、観光客の方々が宿泊するホテルの近くにも、歩いて行ける範囲のコンビニはたくさんあります。

ですが、日本橋の高層ビルが立ち並ぶ東京駅に近いエリアには、23時ぐらいに店を閉めてしまうコンビニがあり、ホテルの場所によっては深夜のコンビニ探しに苦労するところもあります。

また、このエリアのコンビニに立ち寄ると、日本のコンビニの品揃えが豊富すぎるのか、缶チューハイやビールが並ぶコーナーでビールとノンアルコールビールの缶を見比べて「このふたつの違いはなんなのか?」と迷う人や、牛乳のコーナーに並ぶ多彩な商品を見て悩む人を見かけます。時間帯によっては、そういう観光客で店内がごった返すところもあります。

そんな閉店時間の心配や店内の混雑を気にすることなく、翻訳機能を使って自国の言葉で商品の説明を見ながら購入できるのがウーバーイーツ。

深夜の注文は配達員のマッチングが決まらず、商品到着までの時間がかかる場合がありますが、どこにあるのかわからないコンビニまで出かけ、よくわからないまま商品を選ぶよりはマシだと考えているのでしょう。深夜12時から早朝4時ぐらいまで、コンビニからホテルへ向かう配達依頼はそこそこの頻度で入ってきます。

料理を届けるためホテルのロビーへ行ったら、配達員がたくさん集まっている、ということもあります。これはグループで日本を訪れる方が注文するパターンで、おそらく一度でたくさんの種類の料理を味わいたいのでしょう。

すし、うなぎ、とんかつといった日本の料理やパーティの定番料理のチキンやピザなど、さまざまな店からホテルへやってきた配達員がロビーの一角に向かい、5、6人の外国人観光客のグループに1、2人前分の料理を渡しているという場所にけっこう出くわします。

先日気づいたのが、ラーメン店や牛丼チェーンの松屋からの配達。ラーメンや牛丼は外国人観光客の方がよく注文するもの。なので、以前から一定数の注文はあるのですが、最近感じたのは、食券を買うタイプの店からの注文が多いということ。

ラーメン店の券売機は食券のボタン部分に料理の写真がなく、英語表記もないところがほとんど。松屋のようなタッチパネル式の券売機も操作方法が複雑。そんな事情からなのか、食券の券売機を導入する店からの配達が、直接注文するタイプの店より多いことに気づきました。

おそらく同じ理由で、大盛り、味濃いめ、野菜増量など、オプションの多いラーメン店からの配達もかなりあります。

ほかにも、外国人観光客ならではの注文傾向はあると思います。今後も新たな傾向に気がついたら、この場であれこれ報告したいと思います。

文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明



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