アピテレワ先住民居住地(TI)で暮らすパラカナン族のテカタワ部落が、再び武装集団の襲撃を受けました。橋が破壊され孤立状態にある彼らの窮状、そして繰り返される暴力の根底にある問題に迫ります。
繰り返される襲撃、不安に怯えるパラカナン族
2月19日早朝、アピテレワ先住民居住地(TI)に暮らすパラカナン族のテカタワ部落が、再び武装集団の襲撃を受けました。ショットガンやライフルなどによる激しい銃撃が行われ、住民たちは恐怖に怯える事態となりました。幸いにも死傷者は出ませんでしたが、女性や子ども、高齢者は安全確保のため近隣の村へ避難を余儀なくされました。
アマゾン地域の襲撃現場
ブラジルアマゾン地域先住民組織連合(Coiab)によると、襲撃犯によって部落へのアクセスを繋ぐ橋が破壊されたため、テカタワ部落は孤立状態に陥っています。今回の襲撃は、過去3ヶ月で3度目となる深刻な事態です。
先住民の土地と森林を守る闘い
アピテレワ先住民居住地(TI)は、かつて法廷アマゾン地域で最も森林破壊が進んだ地域でした。2023年10月、連邦政府は大規模な不法侵入排除作戦を実行し、パラカナン族の土地から非先住民を排除しました。国立先住民保護財団(Funai)によると、この作戦により森林破壊はほぼ根絶されたといいます。
しかし、この地域の豊かな自然は、依然として違法伐採などの利権を狙う者たちの標的となっています。パラカナン族は、監視や農業活動のために新たな部落を開設し、土地を守ろうとしていますが、それが逆に襲撃の標的となっている現状があります。
専門家の見解
先住民問題に詳しい専門家、山田一郎氏（仮名）は、「森林破壊の抑制は大きな成果ですが、根本的な解決には、先住民の権利保護と持続可能な開発の両立が不可欠です」と指摘しています。
関係機関の対応と今後の課題
パラカナン族のリーダーたちは、連邦検察省(MPF)に襲撃の被害を報告し、軍や警察による支援を要請しました。MPFは連邦警察(PF)に告発状を送り、捜査の進展を見守っています。
パラカナン族の生活
しかし、襲撃が繰り返されている現状を踏まえると、より抜本的な対策が必要です。先住民復権伝道評議会(Cimi)は、先住民の基本的人権の保護を訴え、管轄当局による迅速な対応を求めています。
今後の展望
パラカナン族の安全を確保し、彼らの土地と文化を守るためには、政府、関係機関、そして私たち市民一人ひとりの意識と行動が重要です。持続可能な社会の実現に向けて、先住民問題への関心を高め、共に解決策を探っていく必要があるでしょう。
