長きにわたり日曜日の昼の顔として親しまれてきたTBS系人気情報バラエティ番組『アッコにおまかせ!』が、2026年3月をもって終了することが発表されました。番組の顔である歌手の和田アキ子さん自身が、11月2日の生放送エンディングでこの決定を視聴者に伝え、「40周年を目標にしておりましたが、迎えることができて、これがいちばんいいタイミングだなと思って、今日発表させていただきます」と語りました。半世紀近くにわたる歴史に幕を下ろすこの長寿番組の終焉は、多くの視聴者に驚きと寂しさをもたらしています。その背景には、番組を取り巻く環境の変化、特に視聴率の低迷と和田さん自身の健康問題が深く関係していると見られます。
長寿番組の終焉:40年の歴史に幕を下ろす決断
『アッコにおまかせ!』は、1985年の放送開始以来、日本のテレビ史において特異な存在感を放ってきました。和田アキ子さんがメイン司会を務め、時事問題から芸能ニュースまで幅広い話題を独自の視点で取り上げ、お茶の間を楽しませてきました。番組終了の発表は、まさにその歴史の節目を象徴する出来事です。和田さん自身の口から語られた「いちばんいいタイミング」という言葉には、番組を支え続けた彼女の覚悟と、様々な要因が複合的に絡み合っていることが示唆されます。
和田アキ子『アッコにおまかせ!』番組終了発表、40周年達成後の区切り
視聴率低迷が最大の要因か:番組継続の課題
番組終了の主要な理由として、テレビ局関係者が指摘するのは「視聴率の低迷」です。かつては同時間帯で圧倒的な視聴率を誇り、「日曜の昼の顔」として君臨していましたが、近年は2位以下に甘んじることが多くなっていました。2024年のパリ五輪で女子やり投の北口榛花選手に対する和田さんの「トドみたい」発言が“炎上”するなど、一部の話題はありましたが、それらは終了の直接的な原因というよりは、番組を取り巻く状況の一端に過ぎないと見られています。
特に、2025年1月の番組継続発表時には、番組スポンサーから相当な難色が示されたといいます。編成担当者とスポンサーサイドとの折衝の結果、「今年いっぱいまで」とするか「今年度いっぱいまで」とするか協議され、最終的に番組の歴史と長年の貢献度を尊重し、「今年度いっぱい」、つまり2026年3月での終了が決定したと伝えられています。これは、視聴率という厳しい現実が番組運営に大きな影響を与えていたことを明確に示しています。
和田アキ子の健康問題:生放送への負担
長寿番組を牽引してきた和田アキ子さんの体力的な問題も、番組終了の大きな理由の一つとして挙げられます。テレビ局関係者は、「元気そうに振る舞っていますが、体はボロボロなんです」と和田さんの健康状態に言及しています。これまでにも目の手術や人工関節の手術を公表しているほか、自己免疫疾患であるシェーグレン症候群も患っていることが知られています。
生放送のプレッシャーと長時間にわたる収録は、和田さんの体にとって決して楽なものではありませんでした。過去には、本番前に裏で酸素を吸入して臨んだ日もあったと報じられています。このような状況から、「和田さんの体力的にも、やめどきではあったんですよ」という声が上がっており、体力的な限界が番組継続の大きな障壁となっていたことが伺えます。長年の激務が彼女の体に与えた負担は計り知れません。
舞台裏の経緯と共演者の反応
番組終了の決定は、水面下で慎重に進められました。まず、8月には和田さんの所属事務所に対し、2025年3月での終了が伝えられ、了承を得ていたといいます。その後、10月5日に放送された「40周年記念スペシャル」の放送終わりに開かれた懇親会で、TBS幹部から和田さん本人に、2026年3月いっぱいでの番組終了が正式に伝えられました。
和田さんは事前に事務所から聞かされていたこともあり、「ここまで続けられてホンマ、ありがたかった」と笑顔で受け入れたそうです。そして、「番組終了を自分の口で伝えたい」という和田さん自身の意向が尊重され、各方面からの了承を得るのに約1カ月を要し、今回の生放送での発表に至りました。
この発表は、共演者たちには大きな衝撃を与えました。長年相方を務めてきた峰竜太さんは「そうですか……」と絶句し、愕然としていたとのこと。カンニング竹山さんら準レギュラーには、10月26日の現場で伝えられ、特にプライベートでも親交の深い竹山さんは、和田さんのことをひどく心配していたと報じられています。長年苦楽を共にしてきた仲間たちにとって、番組の終焉は想像以上に重い現実だったようです。
和田アキ子の新たな展望:肩の荷を下ろして
11月2日の生放送前、和田さんはスタッフ全員の前で自ら番組終了を告げました。「おかげさまで、40年以上も番組を続けられたのも、みなさんのおかげです」と感謝を述べ、「本音はもう少し続けたい気持ちもあったけど、3月で番組が終わることになります。でも、3月いっぱいまで残りもよろしく!」と力強く語り、番組の決めポーズであるVサインを見せました。
番組関係者によると、最近の和田さんは「これからは、大好きな大谷翔平の試合が最後まで観られる」「前の晩も深酒できるわ」と話しているそうです。この言葉は、長年の重責から解放され、心から安堵している様子を表しています。国民的長寿番組を背負い続けた「ゴッド姉ちゃん」が、やっと肩の荷を下ろし、これからは自身の時間を大切にしていきたいという新たな展望を示しているかのようです。
結論
『アッコにおまかせ!』の2026年3月終了は、単なる一つの番組の終わりではなく、日本のテレビ史における一つの時代の区切りを意味します。視聴率低迷、和田アキ子さんの健康問題、そして変化するメディア環境が複雑に絡み合い、この決断に至ったと考えられます。長年にわたりお茶の間を賑わせた番組とその司会者である和田アキ子さんへの感謝とともに、彼女の新たな章と今後の活動に多くの期待が寄せられます。この歴史的な終焉は、今後のテレビ番組のあり方にも一石を投じることになるでしょう。
参照元
- Yahoo!ニュース (元記事: Smart FLASH)
https://news.yahoo.co.jp/articles/fe4bcbc34d8aeff78f23edcd160bd7f7539e0361





