国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門を巡る請求異議訴訟の差し戻し審で、福岡高裁は8日までに、第1回口頭弁論を来年2月21日に指定した。今年9月の最高裁判決は、開門を命じる確定判決を無効化した二審福岡高裁判決を破棄し、審理を高裁に差し戻していた。
一連の訴訟では、開門を命じた平成22年の福岡高裁判決に対し、当時の民主党政権が上告せず確定。その後、国は開門するまで1日90万円の制裁金支払い義務を負った。しかし、逆に開門差し止めを命じる司法判断が出たことなどから、国は事情が変わったとして開門命令の無効化を求め、26年に請求異議訴訟を起こし、高裁が昨年7月に国の訴えを認めていた。
差し戻し審は、昨年判決を言い渡した部とは違う部が審理する。