日本の食卓と外食を襲う物価高騰の波:「てんや」に見る価格の現実

近年、日本の私たちの生活に欠かせない様々なモノの価格が驚くほど上昇しています。かつて手軽に購入できた卵や粉チーズといった日用品から、私たちの食生活を支える外食チェーンに至るまで、その影響は広範に及び、多くの人々がその変化に直面しています。「てんや 値上げ」というキーワードが示すように、庶民的な価格で人気の高かった天丼チェーン「てんや」もまた、この物価高騰の波を避けられませんでした。この記事では、私たちの日常に忍び寄る物価上昇の現状と、「てんや」を例にその具体的な変化を深掘りします。

物価高騰の波、日常生活への影響

数年前まで10個178円程度、セール時には128円で購入できた卵が、今や300円を超えることは珍しくありません。また、特定のブランド粉チーズも、かつては398円ほどだったものが、現在は598円から698円で販売されています。こうした生活必需品の値上がりに加え、長らく「安価で手軽」というイメージがあった外食チェーンもまた、軒並み価格改定を行っています。これまでの価格が安すぎたのかもしれない、という見方もありますが、消費者にとっては日々の負担増に直結する深刻な問題です。

「てんや」に見る価格変動と食文化の変化

天丼チェーン「てんや」は、大人から子供まで幅広い層に愛される存在です。筆者自身も2017年に「マネーポストWEB」で「ファストフードにほぼ行かぬオッサンも絶賛! 「天丼てんや」の楽しみ方」という記事を寄稿し、その魅力と「生ビールセット」のお得感を熱く語っていました。当時の「生ビールセット」は生ビールにエビ、イカ、インゲン、レンコンの天ぷらが付いて580円から630円という破格の値段でした。また、天丼のカボチャをナスに変更するといった、ささやかながらも嬉しいサービスも利用できました。

しかし、この数年で状況は大きく変わりました。2017年当時は500円だった天丼が、現在は620円に。天ぷらの単品価格も、70円だったナスが120円に、カボチャは100円になっています。さらに、かつては1本丸ごと入って250円だった穴子の天ぷらも、現在は「切身」と表記され、サイズが小さくなったにも関わらず同価格のまま。一本穴子は430円と、より高価な選択肢として登場しています。「生ビールセット」に至っては800円と、2017年から大幅な「てんや 値上げ」が見られます。

人気の天丼チェーン「てんや」の店舗外観。物価高騰の中でも多くの客を惹きつける人気の天丼チェーン「てんや」の店舗外観。物価高騰の中でも多くの客を惹きつける

食の楽しみと現在の課題

「てんや」の料理はどれも美味しく、筆者も「また食べたい」と常に思っています。しかし、現在住む佐賀県唐津市には店舗がなく、東京への出張時でなければ味わう機会がありません。会食の予定が詰まっていると、立ち寄ることも難しく、引っ越しから5年間で足が遠のいてしまいました。このように、物価高騰だけでなく、地理的な要因も加わり、手軽に外食を楽しむ機会は減少傾向にあります。改めてファストフード店の価格を調べてみると、軒並み価格が上昇している現状に驚かされます。

結論

日用品から外食まで、私たちの生活を取り巻く様々なモノの価格上昇は、一時的な現象ではなく、新しい日常の一部となりつつあります。特に「てんや 値上げ」の事例は、多くの人々が共感する具体的な物価高騰の現実を浮き彫りにしています。この状況は、消費行動や食文化にも変化を促しており、賢い消費選択や予算管理の重要性がこれまで以上に高まっています。今後も物価の動向に注目し、日々の生活を豊かにするための情報収集が不可欠となるでしょう。


参考文献:

  • Yahoo!ニュース (2025年11月3日). 大人が「てんや」で大喜び! しかしこの8年でカボチャは70円→100円、生ビールセットは580円→800円…ファストフード「高すぎる」の悲鳴 https://news.yahoo.co.jp/articles/9af6f08b6cb40254ff4bfbb3a4581fad300b6c4d
  • マネーポストWEB (2017年). ファストフードにほぼ行かぬオッサンも絶賛! 「天丼てんや」の楽しみ方 (※記事執筆者による過去記事言及)
  • デイリー新潮 (2025年11月3日). これは食べたい…「てんや」の期間限定「牡蠣と秋刀魚の秋天丼」 https://www.dailyshincho.jp/article/2025/11030804/?photo=2