韓国、半導体素材国産化に「死の谷」 脱・日本に壁
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51925270X01C19A1EA1000/
「LGディスプレーがフッ化水素の100%国産化を完了」――。
10月15日、韓国メディアは一斉に報じた。日本の輸出管理強化から100日あまりでの発表に
「日本依存からの脱皮」と歓迎する論調が相次いだが、真相はやや異なる。
■原材料は日本製
同社が製造工程で使うのは、輸出管理の対象外である低純度フッ化水素を
加工したエッチングガスだ。これまでは日本から最終製品を輸入してきたが、
物流効率化のため原料の低純度フッ化水素を日本から輸入し、
韓国でエッチングガスに加工する方式に変える準備を日本の措置発動前から進めていたのだ。
「加工を韓国に切り替えたという意味では国産化だが、
原材料は日本製だ」と関係者は打ち明ける。
■品質や価格、競争力及ばず
国産化はなぜ進まないのか。「品質、価格、納期。すべてを満たしているのが日本だからだ」。
韓国の電機大手幹部の説明は明快だ。「韓国企業もつくろうと思えば、何とかつくれる。
ただ歩留まりが悪かったり、割高になったりして、採用は難しい。価格や納期も品質のうちだ」
「研究開発と製品化の間には『死の谷』と呼ばれる高いハードルがある。
それを越えるのは難しい」。サムスン電子の尹鍾龍(ユン・ジョンヨン)元副会長は指摘する。
「生産技術のプロセスづくりは日本企業に一日の長がある。
短期で成果を上げようとしても、うまくいくかはわからない」
だが、韓国大手財閥の本音は日本の部品・素材メーカーとの取引継続にある。
日本依存のリスクは認識しつつも、国内でサプライヤーを辛抱強く
育成するほどの余裕はないのが実情だ。
続きを読む
Source link