日本の主食、お米。最近、価格高騰が話題になっていますが、その裏側で奮闘する米農家の方々がいらっしゃいます。今回は、脱サラして米農家になった岡田伸幸さん(39歳)にお話を伺い、米価高騰の影響や備蓄米放出への見通し、そして日本の農業の未来について考えてみたいと思います。
25歳で脱サラ、コメ農家への道
岡田さんは25歳で脱サラし、コメ農家の道へ飛び込みました。最初は苦労の連続で、累積1億円もの借金を抱えることもあったそうです。しかし、近年は米価の上昇も追い風となり、徐々に経営も安定してきたとのこと。
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「一時は年間の赤字が数万円というギリギリの状況でしたが、最近は年収400万円ほどになり、昨年は米価高騰のおかげで600万円まで増えました。本当に嬉しいです」と岡田さんは笑顔で語ってくれました。
備蓄米放出の影響は?
政府は米価高騰対策として備蓄米の放出を決定しましたが、岡田さんは「今年の米価は昨年と同程度で推移すると予想しています。備蓄米放出の影響は限定的ではないでしょうか」と冷静に分析しています。
米価安定で未来への希望
米価が安定すれば、岡田さんのような若手農家も安心して農業を続けられます。実際、岡田さんの周りにもコメ農家を志す若者が増えているそうです。
「脱サラしてコメ農家を始めたいという相談をよく受けます。40代で始めたものの、なかなか黒字化できないという悩みも聞きますね」と岡田さんは言います。
高い参入障壁、そして日本の農業の未来
夢を追う若者を応援するために
コメ農家を志す若者は少なくないものの、農業を始めるには様々なハードルがあるのも事実です。農機具購入の補助金には厳しい条件があり、特に営業利益の黒字化は大きな壁となっています。
「新規就農者にとって、農地を借りる費用や初期投資を回収するのは容易ではありません。小規模農家では特に厳しいでしょう」と、農業経済の専門家である山田太郎氏(仮名)は指摘します。
岡田さんの地域でも、高齢化や後継者不足により、ここ数年で30人近くの農家が離農したそうです。
農業の未来への提言
日本の農業を守るためには、新規就農者への支援策を強化することが不可欠です。農地の確保や資金調達、技術指導など、多角的なサポートが必要です。
「若者が農業に希望を持てるような環境づくりが急務です。持続可能な農業を実現するためには、農業の担い手を増やすことが重要です」と山田氏は強調します。
挑戦を続ける岡田さんの情熱
米価の動向に左右されながらも、岡田さんは農業への情熱を失っていません。彼の挑戦は、日本の農業の未来を照らす希望の光となるでしょう。