2020年東京五輪・パラリンピックの開催などに向けた東京都議会の特別委員会が8日開かれ、都は、五輪陸上のマラソンと競歩の札幌変更案について、都側が大会組織委員会から伝えられた経緯や、経費負担などについて説明した。これに対し委員からは、組織委から都に伝えられた経緯が不透明だとする指摘が相次ぎ、開催地変更に伴う都の費用負担が今後、発生しない態勢の構築を求める声が出された。
この日、都側は改めて、小池百合子知事が組織委から札幌移転案について聞かされたのが国際オリンピック委員会(IOC)が同案を公表した前日の10月15日だったと説明。組織委が同11日、IOCから札幌案に関する連絡を受けたものの「関係者と協議する」などと回答したと都に説明したことも明かした。
これに対し、都民ファーストの会の伊藤悠都議は、15日以前にIOCから報告を受けながら即座に都に移転案について連絡せず、承認する姿勢を示した森喜朗会長率いる組織委について「森会長のワンマン体制だ。職責を果たしたとは言い難い」と批判。一連の経緯について「不透明で憤りを感じる。納得いかない」と怒りをあらわにした。
特別委ではほかに、会場変更に伴う費用負担についても議論が集中。公明の慶野信一都議は「都は開催地が変わっても札幌市や組織委などと連携し、新たな費用負担が生じないように注視すべきだ」と指摘。都に対し「会場変更で、競技を楽しみにしていた都民らの機会損失にも対応してほしい」と要望した。