近藤正臣さん、妻亡き後…83歳の俳優が郡上八幡で紡ぐ「ひとり暮らし」の物語

NHK BSで20日午前8時より放送される『妻亡きあとに ―近藤正臣 郡上八幡ひとり暮らし―』。俳優・近藤正臣さん(83歳)の現在の生活に密着したドキュメンタリー番組です。この記事では、番組の内容と見どころ、そして近藤さんの生き様から私たちが学べることについて探っていきます。

俳優、近藤正臣さんの今

『柔道一直線』、『龍馬伝』、『カーネーション』など、数々の名作に出演してきた昭和・平成を代表する名俳優、近藤正臣さん。40代で岐阜県郡上八幡の自然に魅せられ、8年前に妻と移住しました。

近藤正臣さん近藤正臣さん

釣りを楽しみながら穏やかな晩年を過ごすはずだった近藤さん。しかし、妻が認知症を発症し、里山でのワンオペ介護の日々が始まりました。自身も腰の手術を受けるなど、過酷な状況が続きました。そして一昨年、56年間連れ添った最愛の妻を亡くし、ひとり暮らしが始まりました。

ひとり暮らしの中で見つけたもの

83歳、伴侶を失った近藤さんはその後の人生をどう生きるのか。番組では、「老い」と「孤独」に向き合う近藤さんの日々に密着。深い喪失感を抱えながらも、郡上八幡の自然や地域の人々との繋がりの中で、自分らしい生き方を模索し始める姿を描いています。

担当ディレクターの小久保美葉子氏によると、当初近藤さんは取材を拒否していたそうです。しかし、カメラを持たずに近藤さんと会い、交流を深める中で、少しずつ心を開いてくれたといいます。

料理研究家の山田花子さん(仮名)は、「高齢になってからの生活の変化は、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。近藤さんのように、自然や地域との繋がりを大切にすることは、心の支えとなるでしょう」と語っています。

孤独と向き合い、前へ進む

近藤さんは、長年連れ添った妻との死別という大きな悲しみを経験しながらも、絶望に打ちひしがれることなく、日々を丁寧に暮らしています。

近藤正臣さんの生活近藤正臣さんの生活

小久保氏は、「近藤さんの日常を見つめる中で、絶望を受け入れ、できることを一つひとつ丁寧にこなしていくことで、徐々に現実を受け入れて前へ進むことができるのだと感じました」と語っています。

私たちが学ぶべきこと

近藤さんの生き様は、私たちに多くのことを教えてくれます。「大切な存在」や「人生の目的」を失っても、人生は続いていきます。自然や周りの人々との繋がりを大切にし、流れに身を任せながら生きていくことも一つの道です。

この番組は、高齢者の方々だけでなく、中年世代や介護をしている方々、そして近藤さんのような暮らしがやってくるかもしれない50代~60代の方々にも、多くのヒントを与えてくれるでしょう。

番組情報

『妻亡きあとに ―近藤正臣 郡上八幡ひとり暮らし―』
放送日時:20日午前8時~
放送局:NHK BS
ぜひご覧ください。