高速大容量の次世代通信5G(第5世代)の本格運用が来春にも始まり、あらゆる物がインターネットにつながる「IoT(Internet of Things)」が加速している現代。通院が不要になる「遠隔診療」の拡大、車の自動運転など、都市の形もまた変わっていくことが予想される。東京が「デジタル化」に向けて大きく舵(かじ)を切ろうとする中、舵取り役として都副知事に迎えられたのが、ネット大手・ヤフー元社長の宮坂学さん(51)。「やりがいマックスだ」と意気込みを見せた。(天野健作)
--デジタル社会が進展する中、どのような東京の姿を描いているか
「ネットは10年前と比べ速度も早くなり、つながる場所も増えた。東京を世界最先端のモバイルネットワーク(移動通信)がつながる街にしたい。永遠にゴールのない戦いになる」
--海外の諸都市と比べて東京の進展度は
「遅れている。日本は電子立国で、ハイテクの街と思っていたかもしれないが、他国や海外都市から学び直さなくてはいけない」
--今の生活で満足している人も多いのでは
「テクノロジーの問題だろう。進歩すればするほど魔法のような状態になる。スマートフォンが使いづらいという問題があるかもしれないが、それはテクノロジーが進歩しきっていないから」
--デジタル社会の課題は
「ネットが使われ出したのは25年ほど前。当時の予測はほとんど外れたが、唯一確実だったのは、個人も企業もみんながネットを使う時代になったことだ。これからは街全体がネットにつながる。インフラをまず整えなくてはいけないが、東京を世界中や日本国中の若い人たちが挑戦できる街にする。僕らが思いも寄らなかったサービスを生み出すだろう」