札幌市西区で発生した痛ましい事故。走行中の軽乗用車からタイヤが外れ、4歳の幼い女の子に直撃、意識不明の重体となるという悲劇が起こりました。この記事では、事故の経緯、裁判の様子、そして被害者家族の無念な思いをお伝えします。
不正改造車によるタイヤ脱落、未来を閉ざされた幼い命
2023年11月14日、札幌市西区で、不正に改造された軽乗用車のタイヤが走行中に外れ、当時4歳だった女の子に直撃しました。女の子は全身の完全まひを伴う頸髄損傷などの重傷を負い、現在も意識不明のまま入院生活を続けています。
札幌市西区で起きたタイヤ脱落事故の現場付近。被害女児の意識は今も戻っていない。
この事故は、車の所有者と運転手の過失によるものとされています。所有者の田中正満被告(51)は道路運送車両法違反(不正改造)、運転手の若本豊嗣被告(51)は同罪と自動車運転処罰法違反(過失致傷)で起訴されました。
裁判で明らかになった事故の真相と父親の訴え
2025年3月5日、札幌地裁で公判が開かれ、被害者である女の子の父親が意見陳述を行いました。「4歳の誕生日を迎えたばかりで、楽しいことがたくさんあるはずだった娘の未来は一瞬で奪われた」と、父親は涙ながらに訴えました。
事故当時、現場には女の子の姉も居合わせていました。姉は「何で大好きな妹にけがをさせたの。妹は何も悪いことをしていないのに。妹と遊べないのは嫌だ」と語り、幼い心に深い傷を負ったことが明らかになりました。
防犯カメラに映った前輪を確認する被告の姿
父親は、娘が何度も心臓が止まりかけ、ペースメーカーを入れてなんとか生き延びていること、たんを取ろうとすると痛がる様子を語り、「娘は、痛い、つらい、助けてと私たちに伝えたくても、できない。家族にとってこれ以上の理不尽は考えられない」と訴えました。自動車整備士の資格を持つ専門家(仮名:山田一郎氏)は、「日常点検の重要性を改めて認識する必要がある」と指摘しています。
不正改造の危険性と日常点検の重要性
今回の事故は、不正改造の危険性と日常点検の重要性を改めて浮き彫りにしました。 不正改造は車両の安全性を損なうだけでなく、周囲の人々の命をも危険にさらす可能性があります。ドライバーは、日頃から車両の点検を怠らず、安全運転を心がける必要があります。
この事故を教訓に、二度とこのような悲劇が繰り返されないことを願います。