大津市の交差点で5月、散歩中の保育園児らの列に車が突っ込み、16人が死傷した事故は8日で発生から半年となった。全国で子供が巻き込まれる事故が後を絶たない中、大津市や滋賀県などは子供を悲惨な交通事故から守ろうと、保育施設周辺での「キッズゾーン」の設置や見守りボランティア「キッズガード」の導入といった全国に先駆けた安全対策にも取り組んでいる。
■対策の効果実感
大津市は7月から、保育施設周辺の道路の路面を色付けしてドライバーに注意喚起する「キッズゾーン」の設置や散歩など園外活動中の園児を見守る「キッズガード」の試行を始めた。
「キッズゾーンができてからはドライバーの意識が少しずつ変わってきたかもしれない」と話すのは、キッズゾーン設置のモデル園の1つに選ばれた石山寺こども園の堀井文子園長。
同園の散歩コースには石山寺の参拝客らの車などが迷い込み、速度を落とさないまま通行することが多かった。堀井園長によると、キッズゾーンの設置後、園の職員らから「以前より慎重に運転する車が増えた」「一時停止を心がける車もある」など効果を実感する声があがっているという。
同園は事故直後に、石山寺の協力を得て、園と寺の間の竹林を切り分けて階段を設け、新たな散歩道を開設。大津市などが行った市内の保育施設の散歩コースの安全点検の結果を踏まえてコースを変更した。