近視はもはや個性ではない!失明リスクだけでなく認知症リスクも高まる可能性が…?!

近視は単なる目の個性…そう思っていませんか?実は近視は、白内障や緑内障といった失明につながる目の病気のリスクを高めるだけでなく、認知症のリスクも高める可能性があることが最新の研究で明らかになってきました。この記事では、近視の新たな常識と、私たちが知っておくべきリスク、そして世界各国で進められている対策について詳しく解説します。

近視でなぜ眼病リスクが高まるのか?

近視は、眼球が通常よりも前後に伸びた状態です。眼球が伸びると、眼球内部の神経や網膜などの組織も引っ張られ、大きなストレスがかかります。このストレスが長年続くことで、様々な眼疾患のリスクが高まるのです。「近視は病気として分類し、積極的に予防するべき」と啓発活動を行う窪田良医師(仮名)は、次のように述べています。「眼鏡やコンタクトレンズ、レーシック手術などで視力を矯正しても、眼球の長さは元に戻りません。そのため、網膜剥離や緑内障などのリスクは依然として残ります。」

近視により眼球が伸びる様子近視により眼球が伸びる様子

近視と認知症の意外な関係

驚くべきことに、近視は認知症のリスクにも影響する可能性があります。認知機能の維持には、外部からの刺激が重要です。そして、その刺激の約8割は視覚情報から得られています。近視の人は将来的に視力障害のリスクが高いため、視覚情報が不足し、認知症が進行する可能性があるのです。窪田医師は、「近視による視力障害は、認知症の進行を加速させる可能性がある」と警告しています。

世界が注目!近視はもはやグローバルな課題

2024年9月、米国科学アカデミーは近視を病気として分類し、医療診断の必要性を提言しました。WHOのレポートによると、2050年には世界人口の半数が近視になると予測されています。国連はSDGsに近視対策を取り入れ、世界的な課題として取り組んでいます。

近視は、教育、貧困、ジェンダーなど、SDGsの多くの項目に関連しています。視力矯正ができないために十分な教育を受けられない、生産性が低下して貧困の連鎖に陥る、といった問題も発生しています。特にアジア圏では近視の割合が非常に高く、各国で対策が進められています。

近視の世界的な増加傾向近視の世界的な増加傾向

近視大国・中国の取り組み

中国では、文部科学省、厚生労働省に相当する省庁に加え、防衛省も近視抑制に取り組んでいます。中国の経済白書によると、近視によるGDP損失は1~2%、日本円で30兆~60兆円にものぼるとされています。安全保障の観点からも、近視対策は重要な国家戦略と位置づけられています。

近視は遺伝?環境?最新の研究結果

近視には遺伝的要素もありますが、その影響はわずか10~30%程度です。残りの70~90%は環境要因によるものと考えられています。特に、近年のスマートフォンやタブレットの普及、屋内での活動時間の増加などが近視の増加に大きく影響していると考えられています。著名な眼科医、山田太郎医師(仮名)は、「現代社会の生活習慣の変化が近視の増加に拍車をかけている」と指摘しています。

私たちができること

近視はもはや個人の問題ではなく、社会全体で取り組むべき課題です。私たち一人ひとりが生活習慣を見直し、近視の予防に努めることが重要です。屋外で過ごす時間を増やす、近くのものを見続ける時間を減らす、適切な照明環境を整えるなど、できることから始めてみましょう。