曽野綾子さん、その名前を聞けば、多くの人が保守論客としての姿を思い浮かべるかもしれません。辛辣な物言いと鋭い批評で、時に畏怖の念を抱かせる存在でもありました。しかし、jp24h.comでは、今回、彼女の知られざる一面、思いやりにあふれ、誠実で、そしてどこか「天然」な魅力を持つ女性としての素顔に迫ります。ベストセラー作家として、また社会批評家としての功績は数多くありますが、本稿では、ささやかな機会に垣間見た、人間・曽野綾子の温かいエピソードをご紹介します。
強盗犯への電話、そして涙
今から半世紀以上も前、1972年の東京山の手では、有名人女性宅を狙った強盗事件が相次いでいました。当時、大田区田園調布に住んでいた曽野綾子さんの自宅もその標的となり、早朝、不審な男が侵入、曽野さんと夫の三浦朱門氏(後の文化庁長官)にナイフを突きつけるという恐ろしい事件が発生しました。三浦氏の機転により男は撃退されましたが、事件はこれで終わりませんでした。
曽野綾子さんの著書
なんと、犯人の男はその後、数回に渡り曽野さん宅に電話をかけてきたのです。「説教強盗」を気取っていたのか、有名人と話してみたかったのか、真意は定かではありません。しかし、その時の曽野さんの対応は、まさに驚くべきものでした。
筆者は後日、そのやり取りを録音したテープを聴く機会を得ました。記憶が曖昧な部分もありますが、テープの中で曽野さんは、犯人に対して怒りをぶつけるどころか、「なぜあんなことをしたんですか」「これ以上、罪を重ねないで」「早く自首してください」と、澄んだ声で熱心に語りかけていました。
普通なら恐怖を感じ、相手にしないでしょう。しかし、曽野さんは違いました。なんと、犯人と話しているうちに、「自首して。本当に心配しているのよ」と、泣き出してしまったのです。自らを襲った強盗の身を案じ、涙ながらに説得する姿は、まさに聖女のようでした。これは、キリスト教の教えである隣人愛の精神の表れだったのかもしれません。
著名な料理研究家であるA氏(仮名)は、このエピソードを聞いて、「まさに慈愛の精神。他者を思いやる心の深さに感銘を受けました。」と語っています。
残念ながら、曽野さんの慈愛の心は犯人には届かず、男はその後逮捕されました。しかし、この出来事は、彼女の深い人間性、そして他者に対する限りない愛情を物語る貴重なエピソードとして、今も人々の心に深く刻まれています。
この事件以外にも、曽野綾子さんの人間味あふれるエピソードは数多く存在します。今後の記事では、それらのエピソードを通じて、彼女の知られざる素顔に迫っていきたいと思います。ぜひ、jp24h.comで、彼女の新たな魅力を発見してください。